もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:81,778 hit

昔話 1-3 ページ3

円堂 side

"サッカーボールだ"

サッカーボールが引っ越しトラックから飛び出した。玄関のドアががらりと開き、青みがかった銀髪の髪をハーフアップした女の子がそのボールを追った。日光に輝く髪が露の巣のようだった. ボールを取ってトラックに帰るその子が、急に俺のほうを見返した。びくっとして隠れてしまうと、その子は首をかしげてすぐ家に入ってしまった. 明日、行ってみよう。

次の日門で顔だけひょいと出してその子を眺めていると、後ろにある風丸が俺を引っ張った

"円堂もう行こう。人の家を盗み見するのはよくない。"

"引越しの荷物にサッカーボールがあった。サッカーが好きな人が引っ越してきたかもしれない!"

風丸の泣き声にもかかわらず、俺はずっとその子を見ていた。俺は突然強い力で後ろへ引っ張られた後ろを振り向いた. 風丸が目に涙を浮かべたまま、俺の腕を引っ張った。

"怒られる。行こう。"

"ちょっと待って!話しかけてみたい!"

頑なに突っ張ると後ろから女の子の声が聞こえた.

"私の家に用事でもあるの?"

びっくりして息を飲んだ。慎重に向き直ると、昨日その子が首をかしげて立っていた。大きな青い瞳が青空のようだった。その目に気を取られて言葉を失ったままじっと見つめていると、風丸の泣き声に気がついた。

"す…すみません……円堂行こう"

"お前サッカー好きか?"

"ええんどう…!"

恨めしい声もものともしなかった後ろから引っ張られる手にも、俺は頑なに持ちこたえた。昨日荷物にボールがあったサッカーが好きかも知れない! 上手くやれば一緒に練習できるかもしれない! じっと見つめながらサッカーボールを前に渡すとその子は優しく笑った。

"君は好きなの? サッカー。"

"ああ!大好きだ!!"

"そっか、ちょっと貸してくれる?"

"ボール? はい!"

ボールを手にした子は軽くリフティングを始めた。軽い身振りはまるでボールと踊っているようだった。 "すごい"という言葉が自然にでた

この子はきっとサッカーが大好きな子なんだろう! 間違いない!

"私はAAだよ。今日引っ越してきた。"

"俺は円堂守!5歳!すぐ隣に住むんだ! こいつは風丸!!"

"えんどうっ!ひきずらないで!.!"

"ああ、隣人だったんだ。わたしもサッカーすきだよ。一緒にサッカーしない?

"やってくれるのか!?"

"うん"

"やった!!"

"風丸くんも一緒にしようよ、ね?"

"えっ……うん……"

俺のサッカー仲間、幼馴染のAとの初めての出会いだった。