もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ17)

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昔話 7-1 ページ17

中2になる4月になる前の3月、総帥に呼ばれた。暗い廊下を歩いていたら、初めて会う男の子が見えた。

ドレッドヘアーにゴーグルをかけた男の子帝国中学校の制服を着たことを見れば、新入生らしかった。

道に迷ったのかな。

'総帥に呼ばれてるから、早く行ってきて手伝わなきゃ'

総帥の部屋に着いてノックをすると自動ドアが開いたこの暗い雰囲気は何年たっても慣れないそうだ。

手を後ろに合わせ、総帥に近づくと、また別のノックの音が聞こえた。

"失礼します"

'あ··さっきの子だ…'

丁寧に腰を曲げるその子のゴーグルがひらめいた. その子も私を気づいたのか私に目を向けた。

".総帥…….この人は"

"ああ、あいさつしろ。帝国中サッカー部のマネージャーでありコーチ"

"は?"

"まあ、こんにちは"

"は…"

理解できないのか、首をかしげる男の子は、私を怪醫な目で見た。

知らないのも当然のことだった。試合に出るのはあくまで選手たち、マネージャーはメディアの関心外だから。

その上、コーチの役割を担うのは、総帥と私だけが知っている秘密だった。

一言で他のチームやメディアにとって、私の存在は秘密。試合も見ることができず、いつも結果だけを伝えてもらってきた。

そんな秘密をこんな新入生に言っていいのだろうか

"こちらは鬼道有人。帝国中サッカー部のキャプテンになる男だ"

"えっ"

私はその男の子に目を向けた。腕を組んだまま、相変わらず私を警戒しているように見えた。照れくさそうに笑って見せると、目を盗んでしまった。

ええ…