君は芸能人② (ページ8)

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ガタンっ！！！！

いったい何時間たったのだろうか。

ものすごい音と共に目を覚ますと、これまで開かなかったエレベーターの扉がゆっくりと開いた。

眩しいっ。

暗いところに慣れていたせいか、目を開けていられなくてぎゅっと目を閉じた。

少しだけ目を開けると、目の前にはたくさんの人。

「柚子！！」

私を呼ぶ男の人の声がした。

柚子「…！！祐介くんっ！！」

走ってエレベーターの中に入ってきて抱きしめてきたのは、祐介くん。

祐「ごめん！！怖かったよな！！俺が免許証なんて落とすから…っ。本当にごめんな！！」

必死に私を抱きしめる腕がかすかに震えていた。

心配かけちゃったな…。

柚子「祐介くんっ！大丈夫だよ。無事だから。心配かけてごめんね。」

祐「本当に心配したっ！！怪我なくてよかったよ…」

祐介くんの手を握ろうと思って見てみると、手がアザだらけだった。

開かないエレベーターの扉を開けようとしてくれていたのだろうか。
祐介くんのきれいな手が…。
ごめんね。

あ、にっしーは！？
にっしーは無事！？

隣に目をやるとニコニコと笑っているにっしー。

無事だ…。
よかった。

微笑み返すと、にっしーの唇が「寝て正解でしょ？」と動く。

本当に助かっちゃった。
にっしーの言った通り。

祐「西島さんも！！大丈夫ですかっ！？」

私を抱きしめていた祐介くんがすごい速さでにっしーの元に。

なんだ…もう離れちゃうのか…。

行き場のない手を引っ込めた。