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もう限界だった



もういいかなって思った



あのひとが家を出ている隙にそっと家を出た




外は雨が降っていて冷たくて寒い…


「お前は家を出る必要がない」


そう言われて靴を捨てられた私は雨に濡れたコンクリートを裸足で走り続けた



『……はぁ、はぁ…』


体力もない私はしばらく走ったところにあった公園に入り、ベンチに座り込む。


思えばなんでもっと早くこうしなかったんだろう…



傷だらけの足をさすりながら考える





それからしばらく雨に打たれていた



いよいよ本当に体の震えが止まらなくなってきた



あの家には絶対に帰りたくない



でも、このままではまずい…



私には頼れる親戚もご近所さんもいない




どうしよう…




「女の子がこんな夜中に何してんの?」


声が聞こえると同時に体に打ち付けていた雨は止んで、顔を上げると黒髪の男性が傘をこちらに傾け立っていた


『…あ、……っごほごほ…』


慌てて返事しようとするも咳き込んでしまい話せない


「…ゆっくりでいいから、落ち着いて」


背中をさすられ呼吸を落ち着かせる




『……すみません…』


「もういける?それにしてもどうしたっていうの?…こんな雨の中傘もささずに、しかもこんな時間に」



そう言われて公園の時計塔を見ると深夜の2時


一体ここに何時間いたんだろう…




「ねえ、本当に大丈夫なの?」


落ち着いた低い声に現実に戻される


ああ、この人を巻き込んではいけない…



『あ、大丈夫です!ありがとうございました!…もう帰りますね…』


とりあえずここを離れよう


傘を押し返し立ち上がった





つもりだった…



立ち上がった瞬間、血の気が引くのが分かり目の前が真っ暗になる


頭がぐらぐらガンガンする…



お腹のあたりに圧迫感を感じあの人に支えられたのだけ理解した


支えられながら何か呼びかけられていたが、私はそのまま意識を手放した






.

登場人物が誰だかわからずお話が終わった説

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はち(プロフ) - めえさん» 返事遅くなり申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです!いろいろありなかなか更新できなくなりましたが、ゆっくりと更新して行くつもりです。続編も愛して頂けると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします! (2020年2月24日 12時) (レス) id: 72833c8bea (このIDを非表示/違反報告)
めえ(プロフ) - エイジさんの過保護感とマホトさんの親分ぷりに水溜りボンドさん達のやさしさがとても素敵に書かれててとても楽しくみさせていただきましたー!続編もみますー! (2019年4月20日 15時) (レス) id: ddaa62ce9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はち | 作成日時:2018年10月7日 19時

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