恋を知らない君へ (ページ32)

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#32 ページ32

｢わ、私は好きな人くらい…｣

JS｢スンチョルくん？｣

｢…んーん、ジスくんが初恋だよ｣

JS｢僕もだよ｣

そう言って笑った彼の瞳に
今にも吸い込まれそうになる。

｢ありがとう｣

JS｢え？｣

｢好きになってくれて｣

JS｢僕こそ｣

初めてあった時わたしは、
彼をなんだか怖い人だと意識した。
なのに、話せば話すほど
いい人で掴めない。

いつの間にか頭の中にはジスくんのことばかり。
好きだといえば消えてしまいそうで、
なんだか儚い存在。

なのに、今こうして目の前に立って
私を好きだと言ってくれてる。
1度は自分から壊そうとしてしまった。

｢ジスくん｣

JS｢ん？｣

｢私ね、すごく面倒だよ｣

JS｢知ってるよ｣

｢不器用だし、ジスくんを困らせたり怒らせたりするかも｣

JS｢今までと何も変わんないよ｣

｢でも｣

JS｢まだ、何かあるの？｣

｢えっと、、｣

JS｢何もかもすべて受け止めて包ま込む自身くらいあるけど？｣

｢うっ｣

月9で聞けそうなそんなセリフとともに
ジスくんがギューッと私を抱き寄せた。
もう溶けてしまいそうな程に甘く。

JS｢まだ、意義ある？｣

｢…意義ないです…｣

満足げに頭を撫でた彼は
やっぱりなにか掴めない。
こんなにも近くにいるのに。