恋を知らない君へ (ページ22)

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#22 ページ22

JS｢Aちゃん｣

帰りのホームルームが終わり
ジスくんが私に話しかける

｢あ、ジスくん｣

JS｢行こっか｣

｢うん｣

少し寒くなった季節。
手をすりすりしながらジスくんの隣を歩く。

JS｢寒くなってきたね｣

｢うん｣

するとジスくんは私の手を取り
ぎゅっと握ると指を絡めてくる。
びっくりしてジスくんを見ると

JS｢僕は君が好きなんだよ、これくらいいいじゃない？｣

有無を言わさずそのまま。
ジスくんのペースに飲み込まれてく。

JS｢スンチョルくんが好き？｣

いきなりの質問に戸惑いながらも
首を横にブンブン振る。

JS｢…スニョンが好き？｣

｢え？｣

JS｢何図星？｣

ジスくんはハハッと乾いた笑いを浮かべて
私の目をジーッと見つめてきた。

｢好きじゃないよ｣

JS｢僕は？｣

｢…ジスくんは｣

JS｢仲のいい友達だよね｣

そのときジスくんの握られた手が
少し強くなった気がした。

｢ごめんね｣

JS｢謝んないでよ｣

｢ごめんっ｣

JS｢謝んないで｣

その場で立ち止まり
苦しそうに笑うジスくん。

｢ごめ…｣

その時勢いよく抱きしめられる。
こんなにも男らしいのに大きいのに
何故か守ってあげなきゃ
そんな使命感に駆られた。

JS｢ごめんね僕こそ｣

また手を取り歩き始める。
ジスくんの笑顔はいつもと違った。