恋を知らない君へ (ページ19)

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#19 ページ19

｢なんであんな事言ったの｣

少し人気の少ないところに向かい
ジスくんにそう尋ねる。

JS｢本当の事を言っただけだよ、でもごめんね困らせるつもりなんて無かったんだ｣

｢…私ジスくん好きだよ、だけど、そーゆー好きじゃないから｣

JS｢分かってるよ…｣

この日からジスくんと居ることも
めっきりと減ってしまい
お互いがお互いを避けてしまっていた。

｢届かない｣

図書室で読みたい本を探していて
上の段が届かなかったそのとき

??｢はい｣

｢あ、ありがとう｣

本を取ってくれたのは
ジスくん…ではなくてつり目の男の子。

HS｢A先輩と話せるなんて夢みたいです！｣

｢へ？｣

HS｢あ！僕1年のクォンスニョンです！｣

｢は、はあ｣

HS｢よろしくお願いします！｣

ニコニコ笑う彼に
少し母性本能が擽られる感じだった。

この日を境にスニョンくんは
たくさん私に話しかけてくれるようになった。
ジスくんが居ない今、1人の私にはすごい有難かった。

｢スニョンくんはお友達は？｣

HS｢いま、ヌナと話してるんで！｣

いつの間にかぬな呼びをされて
すごい仲のいい後輩になっていた。

HS｢ジス先輩と喧嘩でもしたんですか？｣

｢え？｣

HS｢ほら、先輩たち仲いいから…｣

心のつっかえはやっぱり
まだ消え去っていないみたいだ。