呼び方が安定しないのは、アイドルの貴方が混ざるから ページ40
夕方にはだいぶ回復し、新幹線の時間もあるので私は帰ることにした。
気づいたら私の荷物は彼の家にあって、驚いていると
私が寝ている間にわざわざ取りに行ってくれていたという。
帰ろうとしている私に、彼はふたつの紙袋を差し出した。
ひとつは、私のマフラーが入っていた。
｢え私のマフラー、捨てられたかと思った｣
｢俺のことなんだと思ってるの｣
ずっと返したかった、返せてよかった。と彼は言った。
てっきりこんな庶民のマフラー、気持ち悪がられて捨てられていると思っていた。
もうひとつの紙袋には、可愛く包装された有名店のチョコレートが入っていた。
｢チョコ？｣
｢そう、チョコ。あの時は、ありがとうございました。｣
そういって松村くんは、頭を下げた。
｢貰えないよ！現に今私の方が迷惑かけてるし｣
｢あの時お礼も言えずに去っちゃった俺の心を供養してください｣
返そうと伸ばした腕は呆気なく避けられた。
｢じゃあ有難くいただきます｣
｢うん
あと、連絡先ください｣
萌え袖をした彼は、自分の携帯をぎゅっとしながら目線をきょろきょろとさせてお願いしてきた。
3秒ぐらい悩んだが、私も自分の携帯を差し出す。
北斗 と書いてあるLINEが登録された。
私にはこの人をただ親切な人としてみていいのか、芸能人として扱わないといけないのかわからない。
でもこれで、なんだか私はまた一線を超えた気がした。
｢A、また連絡するね｣
でも私の境界線はやっぱりあやふやで
素直にこの言葉に返事をすることは出来なかった。
私と話す時の松村くんの顔はなんだか嬉しそうで
なんで私にそんな顔を向けるのだろう。
芸能人の人はこうやってみんな遊んでいるのかな。
正直に言うと
芸能人である貴方に惹かれているのか
ただの男の子として貴方に惹かれているのか
わかりません。
ただただ、この夢のような体験を喜んでいるのかもしれない。
｢松村北斗｣を利用して→←俺、ラジオでも話長いって怒られるのに…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めん(プロフ) - 面白いです。続き待ってます。 (4月27日 15時) (
レス) id: 0ff6b082e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一気に読んでしまいました！このお話に出会えて嬉しいです。更新楽しみに待ってます (2月6日 21時) (レス) id: 81f237c494 (このIDを非表示/違反報告)
ふじかえる(プロフ) - あぁぁぁぁ苦しいです。この苦しさ好みです。ありがとうございます。更新楽しみにしてます！ (2月2日 21時) (レス) id: a68a8bb87f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：wada | 作成日時：2024年2月1日 3時
