思ったよりも、人見知りの彼 ページ36
｢…………んっ…う｣
驚いて固まっていると、家主はまたモゾモゾと動き出した。
あまりにも気持ちよく眠っているので、このまま眠っていて欲しいぐらい。
しかし、その願いは叶わず
そっと、綺麗な瞳が、こちらをみていた。
｢………………あ、……大丈夫ですか｣
寝起きで少し掠れている、思わず擽ったくなるような低く落ち着きのある声。
目を擦って、欠伸をしながら起き上がったその人は、寝起きで目は開いていないはずなのにすごく綺麗だった。
｢あの、ごめんなさい…状況がまったくわからなくて｣
｢ですよね｣
この人は絶対に悪いことはしない。
なんでかって言うと私はこの人がアイドルだって知ってるから。
そしてあの時、悪い人だとは思わなかったから。
｢俺に警戒しないのは、俺が誰だかわかってるからですか｣
とりあえず座ってと言われて、彼が寝ていたソファに腰を下ろす。
絶対に爪を立てれない高そうな革のソファ。
｢SixTONESの松村北斗…くん……｣
｢と？｣
｢………雪の日に助けた男の子｣
｢…………はいっ｣
そう返事をする彼は、
すごく満足そうで
少しだけ照れくさそうにして笑っていた。
彼がいうには、
たまたまメンバーの忘れ物を届けようと向かっていた道中に今にも倒れそうになっている私を見つけたらしい。
そして、声をかける1歩手前で私が撃沈。
救急車を呼ぼうとしたが、私はただ眠いっていただけで呼んでいいのかわからず
仕方なく自分の家まで運んでくれたらしい。
｢本当にごめんなさい｣
｢大丈夫です、お互い様ですし｣
だいたいの昨日の出来事がわかり、警戒心で強ばっていた身体はふっと解け
己が体調不良であることをまた伝えだした。
｢まだ…よくなってないですよね｣
｢大丈夫ですよ。松村さんが通りかかってなかったらわたし今頃凍死してました。ありがとうございます。｣
彼は人見知りなのか、
話す言葉もなんだか時折早口で
言葉を話す度にチラチラとこちらを見るだけでしっかりとは目が合わない。
なんだか様子を伺っているみたいで可愛らしい。
そっと彼が私の頬に手を伸ばした。
触れる手がひんやりと冷たくて、今の私には心地いい。
汗で引っ付く髪をそっと退かして
私の体温を確かめる。
白くて、綺麗な彼に飲み込まれそうになる。
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めん(プロフ) - 面白いです。続き待ってます。 (4月27日 15時) (
レス) id: 0ff6b082e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一気に読んでしまいました！このお話に出会えて嬉しいです。更新楽しみに待ってます (2月6日 21時) (レス) id: 81f237c494 (このIDを非表示/違反報告)
ふじかえる(プロフ) - あぁぁぁぁ苦しいです。この苦しさ好みです。ありがとうございます。更新楽しみにしてます！ (2月2日 21時) (レス) id: a68a8bb87f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wada | 作成日時：2024年2月1日 3時
