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その日の夜も、次の日の朝も彼はずっと私の心配をしていた
「あれ？蓮、今から仕事でしょ？」
「そうだけど...」
「そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ」
「分かってる」
歯切れの悪い彼の言葉になんだか引っかかって
「まさか行かないとか言うの？」
図星をつかれたのか彼はそっぽ向いた。
何でそうなるのっ...
「そんなの絶対だめ。行って」
「でも、俺がいないときに何かあったら...」
「だめ。蓮はデビューを控えてるんだよ？それなのにそんなのでいいと思ってるの？」
「でも、心配なんだよ！」
大きな声に泣きそうになる
そんなの、そんなの...
「そんな心配私はいらない」
部屋に響いた私の一言に
「あっそ」とだけ呟いて
彼は荷物を掴んで出て行ってしまった
ぱたんと閉まるドアを見て座り込む
こんなはずじゃなかったの
なんでうまくいかなの？
溢れた涙は収まらなくて
蓮には笑っていてほしいのに
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作者名：りん | 作成日時：2020年5月30日 20時
