彼たちがデビューするまで。【くろくん】 (ページ3)

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息苦しさで目を覚ます

白い天井に独特なにおい

病院だとすぐに気づいた。

右手に感触を感じ見ると、彼が私の手を握ったままベッドにもたれかかり寝ていた。

「蓮...？」

繋がれた手を今ある力でめいいっぱい握る

そんな少しの力でも彼は気づき起きてくれた。

「（人１）！」

「蓮、、ごめん、心配かけて、」

「いいから喋らないで。看護婦さん呼んでくる。」

息をきらして帰ってきた彼の後ろには何人かの看護婦さんと先生

雰囲気的になんだか嫌な予感しかしない

一通りの簡単な検査を終え気まずい空気が流れた

「あの、私きっとどこかが悪いんですよね。」

「頭に悪性の腫瘍ができています頭痛とか目眩とかはありませんでした？」

思い当たることしかない。

「ありました...。」

「腫瘍が原因ですね。」

「そうですか」

自分でも驚くほど冷静だった。

隣で蓮が痛いほど手を握る

この病気は手術が必要とのことだった。

「手術なのですが...こちらの都合で10日後しかできなくて...」

10日後って、蓮のデビュー日じゃん

本当に最悪なタイミング

口ごもる先生にしびれをきらしたのか彼が声を荒げた

「なんで10日後なんだよ！」

「蓮、やめて！私なら大丈夫だから！」

彼の服の裾をぐっと引き寄せる

振り向いた彼は微かに震えていて怒りのなかに悲しみと不安が見えた。

手術は10日後

彼を納得させそれで解決した