彼たちがデビューするまで。【くろくん】 (ページ13)

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午前でお仕事が終わって早く帰ってきた彼

「ただいま～」

「おかえり、早かったね」

「今日は午前だけだったから」

早く帰って来て嬉しそう

これから何しようかな～なんて考えていると

「ザリガニ釣り行こ」

「ザリガニ？」

手を繋がれ連れられるまま

途中でコンビニに立ち寄って紐とスルメを買って

「おっしゃ、」

無駄に低い声で気合をいれる彼を眺める

渡されるスルメが付いた紐

「釣れるかな...？」

「コツ教えてやるよ」

そう言う彼はもうすでに2，3匹釣っていて

趣味にしてるだけあって本当にじょうずだな...

「ほら、この辺狙ってみて？」

「ここ？」

「そう、そこ」

言われた場所に垂らしてすぐ

引っ張られた感じがした

「わぁ、ほんとに釣れたよ！」

「な、言ったとおりだろ？」

得意げにひょいひょいザリガニを釣るのがおもしろくて

笑った顔が子どもみたいにかわいくて

いろいろな表情を見せる彼から目が離せなかった