彼たちがデビューするまで。【おれんじくん】 (ページ22)

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真っ白なゲレンデ

ボードを抱えて登場した彼は

さっきまで拗ねてた人ですか？ってくらいかっこいい

「なに見てんのー？」

「いや・・・なんか、めっちゃかっこいいなぁって」

「ほんま？もっとかっこいいとこ見せたるよ」

変顔もといキメ顔を見せた後、

見とき。そう言ってすべりだした彼はものすごくかっこよかった

颯爽とすべる姿は想像以上で、惚れなおすを軽々とこしてくる

「どうやった？」

「めちゃめちゃかっこよすぎて、惚れなおすところのレベルじゃないです」

「なんやそれ～照れるわぁ～」

頭をかく彼は少し自慢げで

手をさし伸ばし

「おいで、（人1）。教えたる」

「うん！」

その手につかまれば寒かったはずなのになんだか温かくなった。

「（人1）へたくそやね～」

「仕方ないやん、運動音痴なんやもん」

時間いっぱいまで頑張ったが運動音痴の私は上達することなく終わってしまった

さすがの大先生、向井康二もお手上げだ。

「寒かったな、お風呂入って温まろ～」

「なー、今日は一緒にお風呂入らへん？」

少し前でスキップしている彼の動きが止まり、

「もちろんそのつもりやで！」

笑顔で振り向いた。