彼たちがデビューするまで。【おれんじくん】 (ページ2)

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そんな関係が3年ほど続いたある日のことだった。

初めて出会った場所と同じ季節

彼に告白された。

「好きやで」

たったの一言だったが想いが全部伝わった。

「私も康二くんが好きやで」

迷いは全くなかった

付き合い始めて、彼の口からジャニーズと告げられた。

「そんなん関係ない、康二くんが好き。」そうとだけ言うと彼は何度もお礼をいい抱きしめてくれた。

それからしばらくして彼のアイドル活動は目に見えて忙しくなった

落ち込んで、泣いて帰ってくることもあったけど全力で頑張ってる彼が眩しかった。

そんな幸せな日々がもうすぐで1年を迎えようとしていた時

「東京で活動しないかって言われた。」

衝撃をうけた

彼は東京に行く理由を全部教えてくれた彼は

嬉しそうに、でもどこか寂しそうだった。

行ってきなよと背中を押す私に反して彼はすごく消極的で

行くことを悩んでいる。

みんなと離れるのが寂しい、東京への不安

でも1番（人1）が心配やねん。最後に小さくそう呟いた。

「私の事が心配なん？そんなんやめて、康二くんずっと夢やったん。」

「せやけど・・・。遠距離になるし」

「私は、康二くんと離れとったてずっと好きやで？私の事信じられへんの？」

「そんなんっ・・・信じてるけど、俺が寂しいやねんもん。」

ぽろりともれた本音に口を急いでふさぐ。

ずっとそう思っててくれたんだ、寂しいって。

彼の事がすごく愛おしく思えた。

我慢できなくなって彼にぎゅっと抱き着いた。

「私だって康二くんと離れるの寂しいんよ。」

「うん・・・。」

私にまわる彼の腕がぎゅっと強くなった

「でもずっと夢やったやん、私は一生懸命夢追いかけてる康二くん世界で1番かっこいいと思うし好きやで。だからさ、行っといでや。」

「・・・。うん、ありがとう。俺、決心ついたわ。」

そう言いながら顔をあげた彼は数分前とは違う顔つきになっていて本当に決心がついたようだった。

「東京行くまでまだ少し日があるからその間にたくさんデートしような。」

「そやね、なかなか会えんくなるかもしれへんしな。」

温かい日差しがふりそそぐ中、私たちはずっと寄り添っていた。

残りの時間を惜しむかのように。