彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ5)

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聞きなれた笑い声で目を覚ます。

「んっ･･･おはよう、、なぁに？ひーくん･･･?」

「いや～寝顔めっちゃかわいいなって。」

「ほんとに･･･寝顔はほんとにブサイクだからやめてよ～」

「そんなことないよ。かわいい。」

本気でこんな恥ずかしいことを言っちゃう当たり、ほんとに尊敬する。

いつもこっちがドキドキさせられっぱなしだ。

「ひーくんの寝顔もめちゃめちゃかわいいよ」

負けじと目を見つめて言ってみれば

「なに、その上目遣い。俺の事誘ってんの？」

そう言って腰を引き寄せられた。

もうお手上げですよ、お兄さん。

「早く起きて朝ごはん食べますよ。」

「俺はもっとこうしてたいけど？」

照れ隠しで彼の顔を手でで隠してしまった。

ニヤニヤしているのがてのひら越しに伝わってくる。

く、悔しい･･･。

「もういい。昨日買ってきたおいしいチョコあげないからね。」

そう言うと、体にバネでも入ってるんじゃないかってくらいの勢いで飛び起きた。

全力で謝ってくる彼がいつも以上にかわいく見えることは内緒だ。

「それじゃあ、お仕事行ってくるね。」

「うん、気を付けて行ってらっしゃい。」

玄関で彼の大きな体にぎゅっと抱きつく。

昨日の夜の事もあってか、今日は朝からお互い引っ付きむしだ。

「なるべく早く帰ってくるね。」

「ありがとう。お仕事頑張ってね。」

「行ってくるね」そう言って静かに締まるドア。

この瞬間が１日のなかで一番寂しい。

さっきまで一緒にいたのに、もう会いたいなぁなんて思ってしまう。