彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ25)

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「まじごめん！携帯ありがとう。」

「うんん、いいよ。どうせ暇だったしね。」

「ほんとありがとう。」

何度もお礼を言う彼。

すごく大事な用だったみたい

「ここまで遠かったでしょ。帰り送るよ。」

「そんな、いいよ。」

「大丈夫！今日はSnowManしかいないし、それにさっき（人1）来るって言ったらレッスン室まで連れて来いって言われちゃって。あいつら一度ったら聞かねーからさ」

「でも、メンバー以外の人とかいるでしょ？迷惑になっちゃう」

「家族って言ってあるからいーの」

「ふ～ん、家族ね・・・」

少し不満そうな私をみて彼はくすくす笑い、

「だって、ほんとに家族でしょ？」

彼の言う家族の意味がわかった私はにやけが止まらなかった。

たぶん今踊ってる。そう言われ邪魔をしないようにそっと中に入る。

走ってメンバーに混じった彼も一緒に踊りだし

迫力のある踊りに私は瞬きも忘れるくらい見入った。

彼のレッスンをしている姿を見るのは初めて。

アクロバットに失敗しても転んでも汗を拭って立ち上がる彼にこっちまで息をのんだ。

「（人1）ちゃん久しぶり～」

「お邪魔してます！」

「相変わらずかわいーね」

「おい、そこくっつくなよ」

「やっぱラブラブやな」

「そこに生まれたのが僕っ！！」

「ふはは、ラウールなにやってんの。」

いつも笑顔が絶えないここは温かい。

でも笑顔の裏にみんなの引き締まった表情が見えた気がした

デビューが近づいて周りがぴりぴりしている。

ふしぎとこちらも緊張した。

彼たちが夢を掴むまでもう少し。