彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ15)

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ライブも終わり帰ろうとしたとき携帯が鳴った。

そっち行くからちょっと待ってて。

彼からの連絡だった。

会場内で少し待つ。

みんなが帰っていく中1人で座る私を見てスタッフさんも不思議そうだ。

きっと声をかけようか迷ってるのかな。

もう帰った方がいいのかもしれないと思っていると声が聞こえた。

「（人1）！」

「ひーくん？」

息を切らして汗だくの彼がいた。

「来るなんて聞いてないよ。」

「言ってないもん。ひーくんかっこよかったよ。」

そう笑顔で言うと。彼は照れくさそうに頭をかいた後

「ありがとう。」

そう言った。

「帰りどうするの？」

そう言われて気づく。

もう、結構な夜中。1人で出歩くのは怖い時間。

しまった。ホテルでも予約しておくべきだった。

「大丈夫、帰れるよ。きっと」

「だめ。こんな夜中に大事な彼女を1人で帰すなんてできない。こっちにおいで、メンバーには言ってあるから。」

「え、でも･･･」

「いいから」

彼に手をひかれ向かった場所は普通は入ることのできない舞台裏だった。