爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ37)

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84　避ける理由とはページ37

『…？あれ私…』

「あら。Aさん目を覚まされましたね。痛みは大丈夫でしょうか。」

八百万さんだ。私は治癒を受けて、保健室のベッドで寝かされていたようだ。

『ありがとう。平気だよ。試験は…』

「試験は終了しましたわ。治療を受けたみなさんはこの場所にいます。」

疲労が溜まっているからか、少しの間ぼーっとした。そこで私は思い出した。

『ば、爆豪くんと緑谷くんは無事なの？』

「緑谷さんの姿は見えませんが、爆豪さんならあちらに…」

…私が最初から良い判断をしていれば、二人は傷つかずに済んだのかな。

「いるかお前ら。」

相澤先生だ。先生は意識がある生徒は帰宅しても良いことだけを伝えると、即座に戻って行った。

「帰宅しないのですか？Aさん。」

『え…？あぁ…そう…だね。』

「では、また明日。」

数人が保健室から出ていくと、私はベッドから降り、歩いていた。

爆豪くんは寝てる時、こんな顔するんだ…いつもとは違う、穏やかな顔。今回、初めて彼がプライドを曲げて挑んだ戦いを見た。大切なのは、同じ間違いを繰り返さないことだって私はもう知っている。私は上手くできただろうか。

『…』

ｽｯと爆豪くんの頬を触った。意味はないけれど。彼がいつもしてくれるように。

「…ん」

瞼が動いている…もうすぐ目を覚ますってことかな。

何故か慌てた私は素早く保健室を出た。何で…何で出てきちゃったんだろう。

「…」

「気のせいだ…いるわけねェんだよ…」

この壁の向こうに爆豪くんがいる。私はその壁の前に座り込んでいた。

「俺があンなこと言ったからな…」

『…』

爆豪くんの足音が聞こえたので私は走ってその場から離れた。何故だろう。私は彼を待っていた訳じゃないのか…？

雄英を出て、駅で電車を待っていると、緑谷くんを発見した。

『緑谷くん！』

私に気が付いた緑谷くんはスマホを落としそうになっていた。驚かせてしまったようだ。

「ごめん。風化さん。怪我は平気？」

『平気。緑谷くんこそ腰大丈夫だった？オールマイトに思い切りやられてたけど…』

「何とかね…でも、クリア出来たから合宿行けるね！」

嬉しそうな顔をする緑谷くん。もう少し話をしていたかったが、私の電車が到着したようだ。

『また明日。みんなで合宿行けるといいね。』

「うん！」

今回の演習試験で、彼とも仲良くなれただろうか。林間合宿でもっとみんなのこと、知れるといいな。