爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ27)

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「えー…そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間一ヶ月休める道理はない。」

「まさか…」

上鳴くんがガタッと机を揺らした。雄英高校の夏休みにあるビッグイベントなんて決まっている。

「夏休み林間合宿やるぞ」

あちこちからやったーと声が聞こえる。私は少し合宿にトラウマというか、嫌な思い出があったから下を向いた。でも、このＡ組との合宿ならきっと楽しいはずだ。今回で忘れよう。あの合宿の思い出を。

「ただしその前の期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補習地獄だ。」

「みんな頑張ろーぜ！！」

キマツテスト……ゴウカク点…満たなカッタラ…補習ジゴク？

「風化さん、色抜けてる！大丈夫！？呼吸して！」

『ハッ…』

緑谷くんの声で現実に戻ってきた。どうしよう、ただでさえ授業についていくのが限界なのに。特に化学と数学と現代文と世界史と古文と物理が……もう全教科不安。中学生まで頭良いって言われて周りの子とか先生からも褒められていたのに、雄英高校では落ちこぼれなんて…

「お前勉強しろよ。分かんねェなら教え殺す。」

休み時間になった途端に爆豪くんは振り返って私に話しかけてきた。実際英語以外の教科は絶望的にできていないのである。ここは爆豪くんに任せようか…

『分かりません……考えるだけで馬鹿になりそう。』

「考えねェ方が馬鹿だろうが。」

爆豪くんはテストに対して焦っている様子もなく、いつも小テストは時間前に余裕で解き終わっている様子を今までに数回見た。一応聞いてみよう。

『爆豪くんって得意科目は…？それと前の化学の小テスト見せて』

「あ゛？全教科余裕だっつーの。」

スッと彼から差し出されたこの前の科学の小テストは98と書かれていた。想像以上にバケモノだった。私って普段とんでもない人と話をしてるんじゃ…

「ウチこの前の小テストも82でさ、ちょっとマズイんだよね。」

「オイラは90！すげーだろ？」

あれ……私とんでもない人たちの中に混じっている？何で皆そんなに高得点なの？耳郎さん？82って高得点だよね？あれ…私がおかしいの？

「てめーはどうだったんだよ。つか答案見せろ。どこが弱ェのか見てやる。」

『む、無理無理！爆豪くんの想像の5倍は点数低いよ！？』

「あ゛？」

はい。答案見せます。今殺されるより答案を見せた方が良いです。だからそんな目で見ないで爆豪くん。

「は……？」

『……』

「64…？」