爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ17)

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いよいよ職場体験当日になった。少し緊張する。

「…確かAさんもウワバミさんの事務所でしたわよね。私もですわ。よろしくお願いします。」

推薦入学者八百万さんに丁寧に話しかけられ、何だか緊張した。

『うん、よろしくね。知っている人が一緒だと安心するな…』

そうして新幹線に乗り込む。八百万さんは少しキョロキョロしているように見えた。

「こちらの新幹線は意外と狭いのですね…それにお話しても良いのですか？」

その言葉を聞いて一瞬でお金持ちなんだな…と感想が出た。八百万さんはきっとグリーン車にいつも乗っていたのだろう。

『あはは…全然話しても大丈夫だよ。』

しばらくすると八百万さんは迷っているような顔をして私に問いかける。

「…体育祭私は良いところがありませんでした。こんな個性を持っていながら…それでも何故ウワバミさんは私を呼んで下さったのでしょうか。」

…八百万さんは常闇くんと戦ってすぐに場外へ足をついてしまっていたそうだ。

『そんな事ないよ？八百万さんはリーダーシップもあるし、冷静に分析を出来る人だからきっとヒーローとしての資質を見抜いてくれたんじゃないかな。』

「そんな…」

八百万さんは嬉しそうに顔を隠した。八百万さん…何だか聡明で近づきがたかったけれど、案外可愛いところがあったようだ。

「Aさん…体育祭で常闇さんと戦っているのを見学させていただきました。あんなにすぐ常闇さんの弱点を発見するとは流石だと思いましたわ。Aさんは上鳴さんのような電気に当たっても大丈夫なんですか？」

『うん。電気は大丈夫なんだ。天候なら何でも耐えられる体なんだけれど、冷やしすぎ、熱しすぎは厳しいかな…服は耐えられないからコスチュームできて良かったよ…』

そう言ってコスチュームを持ち上げる。するとガタンッと新幹線が揺れた。そろそろ最初の駅に着くはずだ。私たちの行く事務所まではあと二駅通り過ぎる。

『八百万さんは自分で念じた物はすぐに作れるの？』

「いえ…その物を原子構造から全て理解し、組み立てを脳内でするのです。それに使うモノは私の体の脂質ですわ。ですので私はより多くの物の構造を知っておく必要があるのです。」

『大変だ…だから八百万さんは覚えが早くて頭も良いんだね。今度勉強教えてもらいたいな。』

私がそう言うと八百万さんは目を輝かせて、もちろんですわと答えてくれた。

こうして話をしながら事務所に到着した。