爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ9)

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自分の仕事がようやく終わり、私は葵を探すべく教室へ向かっていた。

『あ…れ。この教室にもいないや…』

仕方ない。もう帰ってしまったのだろう。私は諦めて教室を出た。

靴を履いていると、校舎裏で声が聞こえた気がした。葵かもと思い、私は校舎裏へ向かう。

「お前最低だな。クズ！」

「自分が神葉に好かれたいから個性使って夢に自分の良いところばっか見せつけてんだろ？」

「神葉そのせいで寝れねえって言ってんだぞ？このクソ個性が！」

そこにはバットを持って、煙草を吸いながら禁止のはずの個性を容赦なく構えている怖い男子が
5人。

「だって…Aが…」

「黙れクソ女！」

その瞬間身長約190cmの男子が葵に詰め寄った。葵は黙って下を向いた。だが、一人の個性で葵のか弱い体は宙を舞う。

『…！』

何してるんだ。ここで動かなきゃ…葵を助けろ。私！

「俺たちに逆らったら殺すぞ。」

葵はまた殴られた。馬鹿、何してるんだ。何で……何で体が動かない…！大事な友達でしょ…！

いつの日か聞いた言葉確かオールマイトだ。

"考えるより先に体が動いていた"

私は…ヒーローになりたい。何で助けることに戸惑っている？

何故…体が動かない？何故…考えてしまっている？

相手が5人だから？葵が助けてと言っていないから？…違う。…恐いからだ。自分が殴られ、ターゲットが変わる。そして毎日虐め…それを想像して恐くなったからだ。

ヒーロー志望でしょ…！動いてよ…！何で恐がっているんだ…そうしている間にも、葵はどんどん傷ついているのに。

「じゃ帰ろうぜ。お前は黙ってるだけでいいんだぞ。」

その男は葵に近づいて殺気を含めた声でそう言い放った。私はその男らがいなくなると体が動いた。

『…葵！』

大丈夫と声をかけながら近寄ると葵はかつてないくらいの冷たい目をしてこちらを見ていた。

「…お前なんか！友達じゃない…！！」

「お前のせいだ！全部！何もかも！」

「お前は逃げた。ヒーロー志望が？そんな目標やめろ！」

葵は私を突き飛ばして走って行った。悪いのは全部私だ。突き飛ばされても、返す言葉がなかった。これが間違うって事なのだから。

秋風に変わりかけた風が私の髪を揺さぶる。同時に涙も零れていった。

『ごめんなさい…ごめんなさい…』

動けなかった自分を憎み、腕を握り締めた。ダメだ、折れないや。

私の精神を崩壊させていく出来事はまだ始まったばかりだ。