歪みの国のアリス_two_【黒執事】

クルシイ ページ8

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(ウィル「一先ず、ここにいて下さい。
また逃げ出したら次こそ命の保証はしないので、
無駄なことはしないように。」)




そういって、私の傷の手当をして、
私の手をベットに繋いでさっさと行ってしまった。




『……………はぁ…』




何だかんだで、気付いてしまった。

きっとその、ウィリアムさんも例のアリスさんの代わりに私にどうこうしてるのだと。



さっきの攻撃も恐らく彼の最大限の配慮、だったのだと思う。

風穴が空いたのにも関わらず、痛みも出血も、少なかった。

あんなに急いでいたのは、白の国の人が来ていると言うのもあるが、
どうやら傷の手当の為にもだったと感じたから。




ウィリアムさん自身がつけた傷を、苛ついた、しかし嬉しそうな目で見ていた。





『はぁ………ほんとさぁ…』


この夢の世界の人達は、頭はおかしいもののその分まぁまぁ優しい


だから、多少痛い目にあっても嫌いになりきれないのだ




『いっそ、皆が酷い人だったらよかったなあ』




そうしたら、私がこんなに悩む必要もないのに。



皆が優しさの欠けらも無い悪人だったとしたら






『そうしたら、私がこんなに苦しむ必要も、無いのになぁ…』





(よっしゃ縄が取れた。)


(さーてーと、隠れる場所、探さなきゃ)

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