Balloon_君と過ごす日々へ_ 3

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Blue


「『ありがとうございましたー！』」


午前中の5人での収録が終わり

これからはドラマの撮影。現場に向かう。



マネ 健人ーもう行くよー


『すみませんっ、今行きますー！』



廊下からマネさんの俺を呼ぶ声が聞こえて


急いで散らかった机を片付け


荷物を鞄に詰め込む。



風 中島……


『ん、何？』


風 いってらっしゃい


『……え、いってきます』


楽屋を出る直前、


急に菊池に声をかけられたと思ったら

いつもそんなこと言われないのに、


珍しいなと思いつつ返事をした。


マネ 健人急いで！早くー


『はーい、……じゃぁ、ね。』


でも、少しだけ元気を貰えた気がした


最近疲れてたから。


俺は何も分からなくなった




何のためにドラマ撮影に来ているんだろう

何のためにアイドルをしているんだろう

何のためにグループにいるんだろう



何のために"生きているんだろう"




今までは普通に過ごしていた



自分の立場や日常に何一つ疑問を持たず


努力できていた



けれど、今はそれが簡単にできない



毎日寝る前に考えて答えを出そうとするけど

全く解決せず、、


意味のわからない涙がひたすら頬を濡らすだけ





マネ 今日もアクションシーンだったよね、


『うん、そう、頑張る』


人との会話も最小限に減らした。


何でそんなことをしてるのかって、


聞かれても自分でもよく分からない。



けど確かなのは撮影現場が楽しくはないこと。



ドラマの出演は嬉しい


紫耀と会えるし他の共演者さんとも会える


それに演技は好きだ。



けれどその"現場"が楽しいとは言えない。



それはきっと、


"現場"が俺を苦しめる所だからだと思う。




マネ はい、ついたよ。今日も頑張って。


『ありがと、いってきます』



控え室に入って今日の衣装に着替える。


メイク室でヘアメイクをしてもらう。


監督との最終確認。




今では全て、反射的に行う変わらない日々の中



息苦しさを感じる自分がいた。



紫耀 カイくーん！こんにちはー！


『やっほ、ジロちゃん。今日もよろしく』



そう言うとニコニコするジロちゃん。


この笑顔だけは壊したくない。



そう思いながら会話を弾ませていた。




通知を知らせるスマートフォン



紫耀 携帯なってますよーいいんですか？

「あーいいのいいの笑それよりさ〜」



今はあんなメッセージ見たくない。



紫耀といる時間まであの人たちのことを

考えたくはなかった。

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