Balloon_君と過ごす日々へ_ 3

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Green

ス 健人くんどう、？


風 ちょっとまだ……俺ら先でいい？


ス 了解。もちろん



予定では集合ショットを先に撮影だったけど


ケンティーの体調はまだ優れないみたいだから


先にソロショットからの撮影にしてもらった





今日の雑誌は長年お世話になってるアイドル誌



スタッフさんも事情を知っているから

風磨くんの提案もすぐ引き受けてくれた



マ じゃあ僕から行ってくるよ


勝 次俺だから一緒に行くね



マリウスと勝利が楽屋を出て

風磨くんと俺でケンティーをみることになった




風 中島ー、さっきよりどう？


健 んっ、けほっ、いた、い


風 ん、分かった、ゆっくりでいいからな




まだ痛みが強いんだろうか


胸をおさえて辛そうに空咳をしてる




先週、ラジオが同じだった時


最近は調子いいって

ケンティー嬉しそうにしてたんだけどな……



ケンティーには申し訳ないけど


このまま調子が戻らなかったら

病院に連れていく他選択肢はないかもしれない




かくいうケンティーは、


先天性心疾患の中でも

苦しいことに完治する治療がない病で、



普通はみんなと同じようなことが

出来ないはずだった。



けれど、彼は違った。


努力を重ねてきたから今のケンティーがいる。



ダンスも歌も


医者から無理だと言われてきたのに


ケンティーにはやる以外なかった。



だから俺達も、



ケンティーに病気のことを伝えられるまで


なにも気づかなかったんだ。



最初はちょっと自分を責めたけど


それ以上にケンティーが凄いと思った。





走り続けている彼だけれど


身体が言う事を聞いてくれない時だってある。



急変した時はすぐ入院。



入院したら少しは身体が楽になるけれど


心は傷んでいくばかりなんだって、



この前聞いた話が頭をよぎる。



周りが手術を受けて完治していく中、


1人取り残されるという恐怖。



俺には想像をするだけで辛いものだった＿＿



風 …、ちょっとダメかも


『え、それって、』



風磨くんがポツリと声を漏らす

俺に視線も向けずケンティーに声をかけ出した



風 中島、身体疲れちゃっ、たみたいだね、
　 頑張りすぎ、ちゃっただけ、大丈夫だよ
　 けど、ちょっと、お休みし、よっか、？



風磨くんの震えた声



お休みという名の入院生活



彼に1番伝えたくなかったその言葉

視界が涙で滲む




健 そっ、かｸﾞｽｯ＿＿っはぁ




なんで、ケンティーなんだろう

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