爆裂と実家 ページ31
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「実家に帰らせていただきます」
俺がそう宣言すると、同級生二人はぴしりと固まった。そして次の瞬間には「なんですか、帰るってなんですか?!」「なんでなんでなんでなんで?!」と詰め寄って質問攻めをしてくる始末……ああああ灰原肩を掴んで揺らす、な…うぷ。
吐き気に耐えながら「説明するから落ち着け!」となんとか二人を宥めて改めて宣言する。
「紅魔族の当主に俺はなる」
「何考えてるんですか貴方?!」
「何考えてるのA?!」
今度は七海にまで肩を揺らされ、たまらず俺は胃の中のものをリバースした。まさに阿鼻叫喚。この惨事を見た夜蛾先生の胃薬はまた増えたそうな。
*
「……要約するとだな、紅魔族の蔵には沢山の呪具が保管してある。持ち出すには当主の許可が必要だが、俺のような落ちこぼれには許可は降りない。なら、俺が当主になれば問題ないというわけだ」
ある程度気分が良くなった俺は、二人に当主になりたい理由を説明した。
紅魔族の呪具はどれもこれも一級品__中にはゴミもあるが__この前に無茶なことをしたので、呪具を充実させて安全な任務をしようというのが理由である。
「なるほど……。前のようにならないため、という理由ならば私は反対しません」
「その蔵ってすごいんだね! えー、僕も行ってみたいなぁ!!」
キラキラと目を輝かせた灰原に、七海は「灰原、そういう軽率なことは…」と注意する。が、俺はその発言に被せるように俺は声を出した。
「いいぞ」
「「えっ?」」
「いいぞ、と言ったんだ。むしろ来てくれ、妹にも紹介したいしな……勿論七海もな」
俺の言葉に灰原はバンザイのポーズで大喜びし、七海は驚きで目を見開いていた。それを横目で見ながら俺は今日出そうとしていた妹宛の手紙に一文を書き足した。
__拝啓妹へ、お兄ちゃんの大事な友達も連れて行くので楽しみにしていてください
*
右を見ても左を見ても後ろを見ても森、森、森。上には青空、そして目の前には古風な村。人目につかず、紅魔の人間か限られた者しか知らない秘境。
俺は灰原と七海に向かってマントを翻し、両手を広げて声を張り上げる。
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モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (2023年5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時