爆裂とアイコンタクト ページ15
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さしす組集結から少しして。
「んー……見たところ、後頭部にたんこぶができてるな。治すのも面倒だし放っておくか」
家入先輩は倒れた五条悟先輩を手慣れた手付きで素早く診察を終わらせた。たんこぶ以外に目立った外傷がないことに、またまた俺がホッと一息をついたところで後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。
なんかデジャヴっぽい。
「校庭から爆音がしたから来てみれば……誰だ。誰がどんな理由で校庭にクレーターを作ったんだっ!?」
言っていなかったが、今俺たちが踏みしめている地面は直径20mほどのクレーターだ。元は平らだった校庭も……なんということでしょう。
匠の爆裂により、コンパスで書いたような美しい円形型のクレーターができました。匠のお心遣いで、クレーター内の雑草は全て、焼き払われています。
__とかいう茶番は置いといて。
現れたのは、大晦日にビンタを響かせる人によく似た夜蛾正道先生だ。夜蛾先生の問いかけに、この場にいる全員__ぶっ倒れている五条悟先輩を除く__が目を合わせた。
瞬間。出会って数分の先輩と後輩の、アイコンタクトによるコミュニケーションが成立した。
それは刹那の時間。ほんの短い時間。だが、確かに通じ合った。
(先輩が先に喧嘩を売ってきたので、俺悪くないです。怒られたくないです)
(私と灰原も、止めなかったことで少なからず責任を問われると思われます)
(先輩、僕たちを助けてください!)
(オッケー任せろ。面白いもん見せてもらった礼だ)
(こんな素晴らしいネタ、今後見れないかもだしね。先輩である私たちに任せて、さぁ行きな)
目線だけで成立。夏油先輩がこの場を去るように促したので、俺たちは頷いて離れようとする。そんな俺たちを見て、夜蛾先生が見逃すはずもなく声をあげる。
「待て! まずはこうなった原因は誰か答えろっ!!」
「「「「「この人が原因です」」」」」
全員が五条悟先輩を指差し、ステレオのようにぴったりと声が重なった。息ぴったりな俺たちに、夜蛾先生は「またコイツか……」と、深く深くため息をつく。
「……傑、硝子。事情を聞きたい。知っていることを話してくれ」
「はーい」
「わかりました」
「一年生は後で話を聞く。教室に帰っていろ」
あとは頼みましたよ、先輩方……!! 俺は七海におぶられながら、親指を立てて教室へと帰っていった。
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モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (2023年5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時