夢の先【爆豪勝己】 (ページ27)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:53,686 hit

27 ページ27

.

手を掴まれたことにビックリして振り返った

爆「…行くな」

そう言いながら真っ直ぐこちらを見る赤い目と目が合った

ﾄﾞｷｯ…

…まただ…

お互い黙ったままだったが

かっちゃんは突然のことで驚いて固まっている私を見ながらﾊｯとした

爆「…あれだ…もう遅えんだから明日でいいだろーが…」

『…あぁ…でも…出久んちすぐそこだし、これ渡したらすぐ帰るから大丈夫だよ？』

爆「…ﾁｯ…そういう意味で言ってんじゃねーよ(ﾎﾞｿ)」

『えっ？なに？』

爆「ｯんでもねーよ！俺んちからデクんとこ行くときに何かあったら俺が気分わりーだろーが！」

『(…あぁそういうことか)』

かっちゃんの言ってることもなんとなくわかったので、言われた通り明日渡すことにした

『うん、じゃあそうする！』

爆「…おう」

そう言って目をそらしたかっちゃんだけど、話は終わったはずなのに手を離してくれない

『…あの…かっちゃん…？』

するとまたこっちを見て何かを言おうとした気がしたけど、また目をそらして

爆「…回復…」

『…えっ？』

爆「…なんか疲れたから回復しろ」

『えっ？あぁ…うん…』

どうしたんだろ？と思いながらもかっちゃんの手に口づけをして回復する

『…はい！終わったよ！』

爆「…おう」

回復が終わるとベッドから立ち上がり部屋を出ていこうとするかっちゃん

『かっちゃん？どこ行くの？』

爆「あぁ？帰らねーのかてめぇは」

『えっ？あ、帰る…』

そう言いながらかっちゃんの後を追って玄関に向かう

光己さんに挨拶してかっちゃんと一緒に家を出る

一瞬で家に着くけど、どんなに近くても必ず送ってくれる

優しいなぁ…

『ありがとう！』

爆「おう」

『じゃあ受験頑張ってね！おやすみ！』

そう言って私は家に入った

爆「……何やってんだ俺は…(ﾎﾞｿ)」

そんなことを言ったかっちゃんの声は私の耳には届かなかった

………

……

…

…ﾊﾟﾀﾝ

『…ｯ//』

自分の胸がなんでこんなに高鳴っているのかわからない

あの日からやっぱり何かおかしい

かっちゃんと目が合うとドキドキする

『(…なんなんだ…もぅ…//)』

この気持ちに気づくのは

まだ先の話…

.