二度目の恋 ページ10
貴｢はぁっ、はぁっ…はァッ
さっき、電話で、爆豪勝己の……｣
勤務中かかってきた一本の電話
仕事用の携帯じゃないし、今出るのは違うかなと思いつつ、
一応、番号を見てみると都内の総合病院から
女の勘とでも言うのか
先程、部署に置かれたテレビから流れていた敵による激しい襲撃の報道が頭をよぎる
私の勘が冴えておらず、最悪の事態ではないことだけを願って通話を取る
病｢桜見Aさんのお電話でお間違いありませんか｣
どこか慌てた様子の女性の声がする
一層不安が煽られる中、｢はい｣とだけ返事をした
病｢落ち着いて聞いてください、先程あった敵の襲撃で取り残された一般市民を庇って爆豪さんが＿＿＿＿＿＿＿＿｣
そこからは正直なんて言われたか覚えてない
最後までその人の話を聞くこともなく、自分が仕事中だということも忘れて、病院へ走った
受付のナースの人に言われた病室の目の前で立ち止まり
恐怖と不安で震える体に力を込めた
まさか、あの彼が、そんなはずない。
きっと中に入れば｢ンだそのツラ｣って馬鹿にしたように笑ってくれる、大丈夫。そう信じて扉を開けた
貴｢ッ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿｣
母｢Aちゃん….、勝己…｣
部屋に入ると体中、包帯だらけで眠っている勝己くん
既に病室に着いていた勝己くんのご両親
いつも元気で笑顔いっぱいのお母さんも
優しく微笑む父さんも
凄く辛そうな顔をしていた
それで全てを悟り、体から力が抜ける
少し落ち着いて、勝己くんの頬にそっと手を触れるといつもより冷たい気がして
ピッ…ピッ…と一定に鳴り響く彼の心拍を教える無機質な音すら恐怖に感じた
お医者様の話を聞くと
命に別状はないとのこと
しかし、脳への損害が大きく、いつ目を覚ますのかわからない。例え覚ましたとしても記憶障害が残るかもしれないと。
なんで私じゃなくて彼なんだろう
あのとき私がそばにいたら、少しは状況が変わっていただろうか
｢もしも｣なんて考えたってしょうがないのに
後悔と自責の念にかられて、泣きそうになるのをグッと堪えた。ここで泣いたらまるで諦めたみたいだ。
ピクリとも動かない彼の手を握って
その日はそのまま静かに眠る勝己くんの側で寝てしまった
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
