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隣に誰もいなくなって、話すこともなければお酒を飲む回数が余計に多くなる


爆「飲みすぎだ」


そう言ってろくに力の入ってない私の手からビールのジョッキを奪い取ったソイツにキリッと睨む


貴「まだぜんぜん余裕ですー、返せ!」

奪われたビールを爆豪は見せつけるようにグビグビっと飲み干した

貴「私のなのに!関節キス!セクハラ!変態!」

こんなこと言ったら昔みたいに言い合いになるは分かっているのに、酔った頭はそこまで回らない

爆「わーったから、水飲めや」

と思ったら、爆豪は大人でそんな煽りにものらずに冷静だった。それが逆にムカついて、
差し出されたお冷を嫌な顔して飲んでやると
はぁ、と大きなため息をついた
その感じが、付き合っていた頃の光景と重なって
どうしてか目頭が熱くなる

貴「そんなに嫌ならほっとけばいいじゃん」

言わなくてもいい余計な言葉を口走る

爆「心配してやってんだろーが」

貴「別にそんなこと頼んでない」

ああ、私はなんて可愛くない女なんだと
自分で言っておきながら呆れる

爆「そーかよ」

これで話を終わらせておけばよかったのに、理性の効かない私はさらに余計な口を叩く

貴「もっと、もっと早く心配してくれてたらよかったのに」

今更そんなこと言っても何も変わらないし
これじゃまるで爆豪のことを今でも想っているみたいだ

言ってしまったものはしょうがないと開き直って顔を上げると

爆「悪かった、あん時はお互いガキすぎたな」

真剣な顔でそんなことを言うから
まさか謝られるなんて思っておらず、申し訳なさと驚きで酔いが多少引いていく

貴「……別に爆豪だけが悪いわけじゃないし」

気まづい空気になり、中身のないお冷の氷を指でコロンと回す

爆「男できたんか」

貴「……今はいないけど
でも何人かとは付き合った、たぶん」

爆「たぶんってなんだよ」

爆豪と別れてから、恋愛をする気分なんてさらさらなかったけど、どうしても爆豪を忘れることができなくて、
それを埋めるように、交際を何度かしたが、結局気持ちが募らなくて、どれも数ヶ月足らずで別れた

貴「なんでもいいでしょ
で、そっちは?どうなの、いるの」

爆「いねぇ」

貴「そう…」

もう寄りを戻すなんてこともないだろうに、「いない」と明言したその言葉が嬉しかった

爆「半分野郎と付き合うんか」

貴「何それ」

次に爆豪から紡がれたまさかの言葉に訳が分からず怪訝な顔をしてしまう

*→←*



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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです!!! (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜羽 | 作成日時:2022年4月17日 16時

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