逆転 (※大人描写強め) ページ44
貴｢ただいま〜｣
誰もいない部屋に向かってそう言いながら玄関を開けると
勝己のものだと思われる靴が目に入る
貴｢勝己？いるの？｣
部屋の明かりは灯っておらず、リビングを見渡してもその姿はない
その代わりに寝室の戸が少し空いていた
音を立てないよう、そっとドアを引くと
お風呂に入ったのか黒のタンクトップとスウェットパンツを着て気持ちよさそうに寝ている勝己がいた
連絡もせずに家に上がり込むことは今までにも何度かあったが、私が帰る前に寝てしまっていたのは初めてだ
よほど疲れていたのだろう
スースーと規則的な寝息を立てて子供のように眠る彼が可愛らしく思えた
鞄を床に起き、ベットに腰かける
優しくそのクリーム色の髪を撫でると
爆｢ん……｣
貴｢ごめん、起こしちゃった？｣
寝ぼけているのか目を擦りながらゆっくりとこちらを見る勝己に声をかける
爆｢帰ってきてたン、か………っ
んだよ、そのカッコ｣
急にガバッと起きて目を見開くからこちらが驚いてしまう
貴｢今日、記念パーティだったの｣
爆｢……ンな服じゃなきゃいけねぇんかよ｣
貴｢マネージャーに指定されちゃって｣
私は女優をしている
勝己と出会ったのも、彼が私の護衛担当になったときだ
今日は映画公開記念と称してその界隈の人たちとの立食パーティー。
主演を務めた私はそれなりに気合いを入れなくてはならなくて、マネージャーに用意されたドレスを着たわけだが
黒のマーメイドドレスに深くスリットが入り、胸元はハートカットになっている
たしかにちょっとやりすぎではないかと思ったけれど
次の仕事を掴むためには欠かせないと押し切られてしまった
爆｢俺以外に見られたとか……クソうぜぇ｣
そう言って怒ったような、悔しそうな顔をする勝己に胸がキュンとなって、覚めたはずの酔いが興奮させる
爆｢っ……おい、｣
ギシとベッドを軋ませ、大きく開いたスリットから足を伸ばし勝己に跨る
まさか、私がこんなことをするなんて思ってもいなかったのか、動揺と驚きの表情をする勝己
貴｢嫉妬、しちゃった？｣
不敵に笑って見せると、頬も、耳も赤くする勝己に背徳感を抱く
貴｢かわいい｣
ゆっくりと距離を縮めて、彼の耳元でわざとらしく妖艶に囁いてみれば、ビクッと彼の体が揺れる
爆｢っ……クッソ
ガキ扱いしてんじゃねぇ｣
赤くなった耳たぶに甘噛みをして
体を離すと、鍛えられた腕で自身の顔を隠す彼に
一層気持ちが掻き立てられた
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
