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貴｢っも……む、り…ッはぁ｣
私の息たえだえの声を聞き、ようやく離してくれる勝己くん
少し距離をとった彼を見つめれば、鋭い赤に捕まる
爆｢クソ………悪ぃ｣
私を見つめる目が揺れて、小さく謝ると
それ以上は言わずに車を走らせた
きっと彼の中で何かあったのだろうと察し
何も言わずに勝己くんが言いたくなるまで待とう、と甘やかしてしまうのは私よりも彼が年下だからだろうか
貴｢ありがとう、ただいま｣
二人で住んでいるマンションについて
玄関のドアを開けるなりグイッと引っ張られ
壁と勝己くんに挟まれる
背の高い彼を見上げてみればいつも以上に眉間に皺がよっていて、せっかくの整った顔が台無しだ、と苦笑しながら
人差し指で優しく撫でてあげる
すると、ぎゅっと私の手首を掴んで
口を食いしばるような表情をしながら真剣な目で私を見つめるから、年下なのにこの色気は困るなと、ざわざわする胸を何とか落ち着かせる
貴｢どうしたの｣
優しく微笑みかければ、握っていた腕を離し、
その大きな手が頬を優しく包み、親指が下唇をそっとなぞる
ゴク、と彼の喉が鳴ると、先ほどの荒々しいキスとは違う、甘くて蕩けてしまいそうなキスをしてくる
そんな彼の仕草に、仕事終わりで玄関だというのも忘れて
自身の腕を彼の首に回し、応えるように返す
何分経ったか分からないほど二人の唇は離れなくて
そろそろ腰が抜けそうだ、という頃に勝己くんの手が私の服の中に侵入してくるから
貴｢勝己くん…ここじゃ、だめ｣
まるで続きを望んでいるような自分の返答に少し恥ずかしくなりながら、気まづく目をそらすと
ひょいっと持ち上げられてソファに落とされる
電気もつけない部屋で、青白い月明かりが勝己くんの顔を照らした
愛おしくてたまらないな、と考えていればようやく勝己くんが口を開いた
爆｢……あのモブ野郎とキスしてるところ見てたらムカついた｣
モブ？キス？なんのことだろうと
黙り込んでいると、勝己くんの視線がテレビに移った
あ、そう言えば今日はドラマの放送日だ
しかもキスシーンがあったはず
恋愛ドラマなだけあって、そういうのは避けられないのだけど
これまでも何度か俳優さんとキスやハグ、夜のシーンを撮ったことがあったが、勝己くんと付き合ってからは初めてかもしれない
普段テレビなんて滅多に見ない勝己くんが
せっかく私の出ているドラマを見てくれて、
演技とは言えヤキモチを焼いてくれたのが、愛おしくてたまらなかった
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
