過去の失敗 ページ5
集合時間これじゃ間に合わない………
定時に終わるはずが、急遽入った戦闘要請に駆り出され
19時に集合と言われたA組のみんなとの同窓会かつ忘年会に遅れそうだ
急いで帰り支度をして、走って指定された居酒屋に向かうも、1時間はゆうに過ぎていて携帯の画面には｢先に中に入っている｣とグループチャットに連絡が入っていた
大晦日前日、お店はやはり混んでいるようで
扉を開けて中に入っても、店員さんはなかなか現れない
みんなどこの部屋だろうかと考えながら、雪の降る道を走って冷たくなった手をハーっと息で温めていると、後ろでチロリンとドアが空いて鈴がなる音が聞こえた
ボケっと店の入口でつっ立って、他のお客さんの邪魔はしちゃいけないなと、｢すみません｣と言って入口の端に寄ると
爆｢ンだよ、お前か｣
聞き慣れたような、懐かしいような、
心臓がトクっと脈打つ声
貴｢かつ……爆豪、久しぶり｣
思わず｢勝己｣と呼んでしまいそうになった言葉を飲み込んで
学生時代のときのように苗字で呼ぶ
別れてから一年ぶりの再開
あれから一切連絡を取っていなかったし
今日の参加メンバーにも名前が無かったから
まさか会うなんて思っておらず、しどろもどろ
高校で3年間を過ごして、お互い長いこと拗らせていたけれど、卒業後暫くして漸く付き合った私たち
けど、遅すぎたのか、タイミングが悪かったのか
ヒーローとして世に出たばかりの私たちは、新しい環境とお互いの生活を上手く合わせられず、一年ほどで別れてしまった
2人でいるのが気まづくて、早く店員さん来ないかな、なんて考えていると、奥の方からパタパタと忙しそうに走ってくる女性の方が｢飯田様でご予約のお連れ様ですね｣と尋ねた
その人について行き、奥の大広間の戸を開くと
私たち以外は全員、懐かしい顔ぶれが既に揃っていた
切｢お！爆豪！来れたんだな！｣
麗｢Aちゃん！久しぶりー！！｣
そんな声に迎えられて、席につこうとするものの、
やっぱり遅れたツケは回ってきて、私と爆豪は一番奥の向かい合わせ
しょうがないなと思いつつ、先を行く爆豪の背中を追って空いたその席に足を進めると
上｢爆豪とAちゃん一緒に来たのかよ〜相変わらず仲良いな〜｣
なんて、別れたことを知らないのか呑気に上鳴が言うと
慌てたように切島がその黄色い頭をペシっと叩いた
聞こえてないのか、どうでもいいのか振り向きもしない爆豪のかわりに、切島に向かって苦笑しながら席に着いた
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
