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切島が部屋を出ていって数分後
電話の着信音が鳴る
開いてみれば事務所のマネージャーで
報道のことについて詳しく説明した
滅多に熱愛報道なんてされないから、こんなにもめんどくさいことなんだ、と思い知る
ガミガミと怒られた電話を切るとすぐにまた着信音が鳴る
次は誰にお叱りを受けるのだろうと思えば
画面に見えたのは｢爆豪勝己｣という文字
それまで何ともなかった心臓が一気脈打つ速度を速める
話すのがすごく久々な感じがして、
電話に出るか迷うも、鳴り止まない着信音に観念して通話ボタンを押す
貴｢……もしもし｣
爆｢切島と付き合ったンか｣
別れてから一度も連絡してないのに
第一声がなんでそれなんだ、と突っ込んでやりたかったけど我慢する
貴｢…あー、今朝のニュースね
わざわざそれ聞くために電話してきたの｣
このまま二度と連絡も声さえ聞くこともできないんじゃないかと思っていた
だから、電話がかかってきたときは嬉しかったのに
どうしてこうも素直になれないのか
爆｢質問の答えになってねぇ｣
貴｢別にもう関係ないじゃん、そっちだって……
あの女優さんとお付き合いしてるんでしょ？
女の子らしくて守ってあげたいって感じ、勝己好きそうだもんね、よかったね、おめでとう……｣
一番大事なことは何も言えないのに、思ってない言葉ばかりがすらすら吐かれる
散々泣いたはずなのに、また大粒の涙が頬を伝う
気づかれないようにグッと息を殺した
爆｢……今どこに居んだ｣
貴｢教えない｣
そう答えたら、勝己の舌打ちの音だけが携帯越しに聞こえて通話は切れた
本当勝手な人だ
何がしたいのかぜんぜんわからない
そういえば、付き合った当初からそうだったかもしれない
元々口数の多い人じゃないし、勝己が何を思っていたのか
私がしっかり分かってあげれた時なんてあるのだろうか
次から次へと零れる涙を、拭うことすら諦めて
もう全部わすれてしまおう、
消せなかった彼との写真も、連絡先も、全部
そう画面に触れようとしたとき
ホテルのインターホンが鳴る
清掃の時間となってしまったのかと慌てて扉に近づき、
覗き穴を見る
そこには、走ってきたのか呼吸を乱す勝己が立っていた
なんでここがばれたのか
そんなことよりもいろいろ考えることがあって
居ないふりをしようと黙っていると
爆｢いんのはわかってる
……はよ開けろや｣
怒っているようで苦しそうにも聞こえる勝己の声に
耐えられずドアを開けてしまった
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
