居眠り ページ4
夜10時を過ぎて、とっくにみんなは寮の自室に戻っている頃
喉が乾いて共有スペースに降りていくと電気がついていた
まだ誰かいるのかな、と近寄ると
ノートを開いたままソファに座り込んで寝ている爆豪くんがいた
そっとノートの中身を見てみると
今日やった数学の問題だった
あんな横暴な感じなのに意外としっかり復習してるんだなと思うと少し笑みがこぼれる
起こさないようにそっと隣に座って
気持ちよさそうに眠る彼の顔を覗く
こんな近くで爆豪くんの顔、見たことなかったけど
よく見たら睫毛長いし、お肌もスベスベ
いつもは強面な顔してるけど、こうやっていると
イケメンと称される轟くんに負けず劣らず整ってるなぁ
腕を組みながら寝ている爆豪くん
黒のタンクトップから見える腕の筋肉や
骨ばった鎖骨、首筋
一つ一つに目がいき、意識してしまう
気づいたら身を乗り出すようにして爆豪くんの正面に顔を近づけていて、鼻先が触れそうなくらいまでの距離になった時
ピクっと爆豪くんの腕に力が入ったのがわかり
ガバッと勢いよく離れる
わ、私…今何を……
寝ている爆豪くんに自分が何をしようとしていたのか
我に返り、冷や汗が出る
爆豪くんの方に目をやると
くわぁっと大きな欠伸をしていた
さっきのことがバレていないか
心臓がバクバクと音を立てながら鼓動を速める
爆｢寝ちまってたんか
つーか、Aは何しとンだ｣
この感じはバレてない…？
なるべく平然を装って答える
貴｢の、喉乾いちゃって飲み物取りに来たら
爆豪くんが寝てたから…｣
爆｢寝込み襲ったつーわけか｣
貴｢っ！！
おっ、起きてたの！？｣
ニヤリと笑ってこちらを見る爆豪くんに
さっきの失態が気づかれていて、心臓が掴まれた気持ちだ
貴｢あの、これは、ほんと
自分でもよくわかんなくて、えっと、ほんとごめ｣
あわあわとパニック状態で両手を振る素振りをすると
グイッとその手を掴まれて距離が縮まる
爆｢ンなに俺とキスしたかったんか｣
あと10センチほどで触れてしまいそうな距離
爆豪くんの低く艶のある声が耳元で響く
その声を聞いてさらに加速する心臓の音
爆豪くんが視線を合わせるように少し屈んだ
爆｢正直に言ったら、してやってもいいぜ｣
赤く鋭い瞳が私を捉えて逃がさない
その瞳に抗うことも思考を働かすこともできず
口だけが動く
貴｢し、たかった…｣
よく言えたな、とでも言うようにニヤリと笑って
彼の唇が私の唇と重なった
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
