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大きな手が私を覆ったまま、普段じゃ見ることの無い
柔らかい顔で笑うから、もう心臓が飛び出してしまいそうで
振り切るようにお酒を呷る
爆｢もうやめとけ｣
先輩は呆れた顔で私のジョッキを取り上げ
逃げ場のなくなった私は気まづくて視線をそらした
爆｢あとなァ、好きでもねぇ男に簡単に触らせんな｣
顔をあげると、少しムスッとした表情でこちらを見ていた
さっきの飲み会ことだと察し
気をつけます、と言えば
再び先輩の手が伸びてきて私の手を熱っぽく触る
爆｢言ったそばから触られてんじゃねーか
もっと自分大切にしろや｣
そんなこと言われたって
どうやってこれを阻止ろというのだろうか
少し不機嫌気味に先輩が見下ろすからムキなってしまう
貴｢言われなくても大切にしてます
……それに 好きな人 ならいいんですよね｣
言い切った後に自分が何を口走ったか理解する
これじゃ告白と同じた
やってしまった…
逃げ出したくなって立ち上がろうとすると
私を包む先輩の手の力が強まる
貴｢っ……｣
視線を合わせると
面食らったような顔でこちらを見ていた
爆｢逃げんな｣
ただでさえお酒が入って頭が回らないのに
そんな熱を持った鋭い目で見られたら何も考えれなくなる
貴｢も、もう帰らないと終電なくなっちゃいます…｣
爆｢帰らせるつもりねぇけど｣
真剣な声でそんなことを言われたら
勘違いしてしまう、期待…してしまう
貴｢…酔いすぎです
後輩をからかわないで下さい……私冗談通じるタイプじゃないんで｣
爆｢酔ってねぇし、冗談でもねぇわ
ごちゃごちゃ言ってねぇで行くぞ｣
そう言って立ち上がり、さっさとお会計を済ませて店を出る
夜道とは言え、帽子も被らずに手を繋いで歩いている所を見られたら、プロヒーローとして女性人気も高い彼は、明日には大騒ぎされてしまう
貴｢こ、こんなところ見られたら…｣
爆｢好きな女と手ぇ繋いで歩いて悪ぃか｣
貴｢っ……｣
振り返った赤い目に捕らえられて
ああ、この人には一生叶わないな、と実感する
爆｢明日、事務所とマスコミに公表すっから心の準備しとけ。
あ、あと引越しの準備もな｣
貴｢えっ？あ、明日？ひっ引越し？｣
爆｢たりめーだ
ンな生半可な気持ちじゃ言ってねぇわ
俺の女になるってこと、しっかり自覚しろよ
＿＿＿＿＿A｣
不敵に笑う彼に、とんでもない人を好きなってしまったと思いつつ、そんな彼を想う気持ちが一層強まった
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
