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貴｢えっと………｣
初めて男子の部屋に1人で来てしまった…しかも爆豪くんの…
頭一個以上私よりも背の高い彼の鋭い視線が刺さっているのを感じて、顔をあげれない
爆｢まだてめぇから聞いてねぇけど｣
貴｢へ…｣
何も言わずに引っ張られるから余計なことをして怒られるのかと思ってて、拍子抜ける
貴｢お、お誕生日おめでとう｣
恐る恐る顔をあげて伝えると
ニヤリと口角を上げる爆豪くんの表情に呼吸ができない
爆｢で、そのカバンの中身は何隠しとんだ｣
貴｢えっ！な、何も…隠して｣
慌てて肩にかけていた鞄を後に隠すと
それと同時に爆豪くんがジリジリと詰め寄る
背中はドアにぶつかり、これ以上は下がれない
誤魔化しきれないと諦め、白状する
貴｢…爆豪くんへのプレゼント
何がいいか決められなくて……結局自分でお菓子作ったんだけど…お菓子なら砂糖くんの方が上手だし、爆豪くんも料理上手だから私のなんて__｣
爆｢食わせろ｣
私がごちゃごちゃ説明していると
それを遮って爆豪くんは｢あ｣と口を開いて私を見ている
く、食わせろって
あげるのも躊躇ったのに、た、食べさせろってこと？
むりむりむり、なにそれ、なんの至難？
爆｢早よしろや｣
キツめの催促のお言葉がかかり、渋々鞄から取り出した手作りのお菓子を一欠片、爆豪くんの口元へ近づけるも
あと5センチという所で手が震えて動かせない
恥ずかしさで上がった体温にチョコが溶けだす
爆｢ったく｣
呆れたようにそう言った爆豪くんは
差し出した私の手をグイッと引き
パクっと口に含む
貴｢っ｣
指先ごと彼の口内に含まれ
生暖かいものが指をなぞり、ゾクリと体が反応した
爆｢うめぇ｣
またあの悪戯な笑みを浮かべる彼の視線は私を離してくれなくて、どんどん身体が熱くなる
貴｢よ…よかった、です…｣
プシューと効果音でも鳴りそうなくらい熱くなった身体から
なんとか振り絞って応える
爆｢つーか、勝手に最後にすんなや｣
貴｢え？｣
爆豪くんの発言の糸が読めず、また間抜けな声を出してしまった
爆｢誕生日、祝うのこれが最後って勝手に決めつけんな｣
貴｢え、で、でも｣
爆｢でも、じゃねぇ
来年も再来年も、この先ずっと祝えや｣
次こそ、その言葉の意味を理解するのに考え込む
だんだんと整理がついてきた頭が身体をさらに熱くさせる
貴｢それって……｣
爆｢俺のもんなれっつっとんだ｣
少し頬を赤らめた爆豪くんに
私は胸がいっぱいになって静かにコクリと頷いた
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
