誕生日 ページ19
今日は勝己くんの誕生日
勝己くんの大好きな四川麻婆をはじめとする辛いお料理をたくさん作った
ケーキも用意して、あとは彼の帰りを待つだけ
一昨日、連絡を入れたときには夕方には帰れると言っていたけど時計はもうすぐ日付を跨ぎそうだ
でも6時間前に送ったメッセージはまだ既読にならない
貴｢今日は帰って来れないかなぁ｣
ここ数日、緊急要請がたくさんあったようで
もう何日も勝己くんに会っていない
久々に会えるのが嬉しくて、いろいろ張り切ってしまったけど今夜のお祝いはお預けかな、と席を立ち上がろうとした瞬間、玄関で鍵の音が聞こえる
慌てて電気を消して
用意したクラッカーを持ち、息を潜める
トン、トンとゆっくり近づく足音を聞いて
扉が開いた瞬間
パーーン
貴｢勝己くん！お誕生日おめでとうー！｣
目の前の勝己くんは少し驚いた様子で私を見ていた
爆｢……帰ってなかったんか｣
私がもう先に帰ってしまったのだと思っていたようで
もともと帰るつもりはなかったけど、起きていてよかったと思う
貴｢びっくりした？間に合ってよかった！
サプライズ、成功かな？｣
ふふっと笑ってそう聞くと
何も言わずに勝己くんは私を抱きしめ、肩に顔を埋める
貴｢勝己くん…？
お仕事、頑張ったね｣
きっと、すごく疲れてるんだ
勝己くんのお家に上がったときも最近家に帰ってきていないようだった
それくらい忙しかったんだ
いつも平気な顔してなんでもこなしてしまう彼だけど
こんなに弱みを見せてくれるのは初めてで少し嬉しかった
みんなのために頑張ってくれた勝己くんの頭を優しく撫でた
爆｢腹減った…｣
貴｢一緒にたべよ、あ、ケーキもあるよ｣
貴｢美味しい？｣
爆｢ん｣
貴｢勝己くんが好きなものいっぱい作ったんだ
一緒に食べれて嬉しい｣
少し作りすぎてしまったかなとも思いつつ、
勝己くんは全て綺麗に完食してくれた
台所に立ち、食べ終わったお皿を片付けようとすると
勝己くんが後ろから腕を回して抱きしめてきた
貴｢ここは私が片付けるから、勝己くんはゆっくりしてていいよ｣
爆｢もう遅ぇから泊まってけよ｣
少しでもゆっくりしてもらおうとそう言うと
勝己くんの低く色気のある声が耳元で囁く
貴｢……もともと…そのつもりで来てた｣
自分で言っておきながら、恥ずかしくなって
体に熱が溜まるのを感じた
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
