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貴｢え、……｣
思ってもみなかった勝己くんの言葉に
思考が停止する
私は貴方の恋人だ、って今すぐにでも言いたい
でも、記憶の混乱は脳に大きな負担がかかると先生が仰っていた。言ったらダメだ。
どうしたんだ、と言うような顔で私を見る勝己くんに
本当のことは隠す
貴｢あの、えっと私は
敵の襲撃のときに、かつ……爆豪さんに助けていただいた者です｣
なんかこれデジャブ感があるな
ある意味嘘じゃないし、この前の事件で助けてもらったということにして話を進めた
貴｢怪我をされたって聞いて、無理を言って面会させていただいていたんです。
その…私のせいでこんなことになってしまったのかなって｣
爆｢怪我したのはお前のせいじゃねェし
こんくらい大したことねー……わ、ナメんな｣
私も、そう言った勝己くんも少し驚いたような顔をしていた
まるで私たちが初めて話した時みたいだ
何度繰り返しても勝己くんは同じことを言うんだね
彼は忘れているはずなのにあの時と同じ言葉を発した勝己くんが愛おしかった
爆｢なに笑ってんだよ｣
思わずふふ、っと笑った私に
口調は不機嫌そうな勝己くんだったが、その表情は柔らかく
貴｢数年前に同じようなことがあったんです
それと重なって、つい
ごめんなさい｣
また、ふふっと笑ってしまうと
今度は勝己くんもどこか満足気に笑っていた
爆｢てめぇは笑ってるほうがいい｣
そう目を見て言われて
心臓がトクンと音を立てた
まるで、彼にまた恋をしているみたいだ
そっか、
たとえ記憶が戻らなくても
勝己くんとまた恋を始めたらいい
ゼロからになったけど、また1からの私を好きになってもらおう
貴｢あの、またここに来てお話してもいいですか？｣
爆｢おう｣
その返事をもらって、その日は病室を出た
prrrrr
貴｢もしもし。切島くん？どうしたの？｣
切｢おお、A
どうしたのって、あのメッセージなんだよ
諦めて一からはじめるって｣
病院を出たあと、私はその決心を一番心配してくれていた切島くんに伝えた
私の言葉足らずだったのか、不安そうな声だった
貴｢えっと、諦めるって言うか、もう一度、
勝己くんと恋をしようかなって
二度目の恋？みたいな｣
ふふふっと笑って聞かせると
安堵したように切島くんはため息をついた
切｢なんだよ、びっくりさせんなよーー
別れるんかと思ったわ｣
貴｢ごめんごめん
また、好きになってもらえるかは分からないけど…
頑張ってみるね｣
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桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
