＊ ページ12
勝己くんとは雄英高校2年のときに出会った
普通科だった私は、彼の活躍と暴れっぷりで一年の頃から名前を知っていたけれど、交わることなんてほとんどなく
ヒーロー科の怖い人、という印象だった
2年の夏、母に買い物を頼まれて街に出たとき
当時、発生した連続敵事件の現場に遭遇してしまった
ほとんどの人がプロヒーローに助けられたが
咄嗟に奥へと隠れてしまった私は、取り残され
過激化した敵にヒーローたちも近づくことがてきなかった
いずれ見つかって殺されちゃうのかな、なんて死を悟った頭は冷静に考えていた
暴れ狂う敵の怒号が近づいてきて、覚悟した
次に感じるであろう痛みに震えながら身構えると
大きな爆発音と共に体がふわっと宙に浮く
固く結んでいた目を開くと
頬から血を流しながらも私を抱きかかえる爆豪勝己くん
プロヒーローすら手出しが出来ずにいたあの現場で
彼は自分の命の危機すら恐れずに、私を助けてくれた
ふと当時のことを思い出して、あの頃からそういう性格だったなと苦笑する。
救出された私は大事をとって病院に運ばれた
救急車に連れ込まれる際に私を助けてくれた彼がプロヒーローたちに酷く説教されているのが見えて、申し訳なくなった
事件から土日を跨いだ、週明け
A組のある棟へ朝一で向かった
A組の人達とは話したこともなく
どうやって彼を呼ぼうかと教室の前で戸惑っていると
それを見かけたピンク色の可愛らしい女の子が話しかけてくれた
芦｢誰かに用？｣
爆豪くんの名前を言うと、あ！っと何かを察したように高い声で呼びかけた
芦｢爆豪！爆豪にお客さん！噂をすればだね〜｣
その声にざわめいた教室と
一人の机を囲むようにして人が集まる場所から聞こえてきた｢あ゛ァ？｣という声
その声の主である爆豪くんがポケットに手を突っ込んで私の方にズカズカと来るから、呼んだのは自分なのに少し緊張する
｢ンだよ｣と言う彼にもごもごすると｢シャキッと話せや！｣とお叱りを受け｢ご、ごめんなさい｣と早口で謝った
それを聞いていた赤髪の男の子が
切｢爆豪！そんな怖ぇ顔でいったら
その子、怖がっちゃうだろ！｣
と、爆豪くんに向かって呼びかける
｢うるせぇ！｣とさらに怒鳴る彼は舌打ちをして
こっちこい、と野次の飛ばない人のいない場所へと連れてかれた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜羽(プロフ) - 桜木なおさん» コメント誠にありがとうございます。2.3.4とありますのでよろしければ是非、そちらもお読みいただけると幸いです。 (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 1960f228ce (このIDを非表示/違反報告)
桜木なお - 面白いです！！！ (2022年7月22日 21時) (レス) @page34 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜羽 | 作成日時：2022年4月17日 16時
