お父さま ページ6
「ただいまぁー」
「！！」
「あら、今日は随分早いのね。おかえりなさーい！！」
どうやら、お父さまがお帰りになられたようです。
ガチャリと扉を開けて入って来たのは、温厚そうなお父さま。
「ふぅー疲れた…」
「早かったわね、勝さん」
「うん、今日は早めに仕事を切り上げてきたんだ」
「そうなの。…ほら、勝己おいで」
お母さまに手招きされて呼ばれた少年。
すると少年は私を抱き上げ、お父さまとお母さまの元へ向かった。
自分の傍に来た少年の腕の中にいる私を見て、お父さまは目を見張った。
「！……勝己くん、どしうしたんだい、その猫」
「……おれ、こいつのこと、飼いたい！ちゃんとお世話も自分でする！途中でやめて捨てたりとか、ぜってぇしねー！！だからお願いします！！」
「だってさ、どうする？」
私をぎゅうっと抱き締めながら、必死にお願いする少年。
心というモノが、あるかどうか分かりませんが、とても心臓の所が暖かくなるのを感じました。
「うーん……キミは、それでもいいのかな？」
『ニャーン！』
勿論ですとも！
少年に命を助けられた時点で、私は心に決めてました。
『少年と一緒に過ごしたい』と。
「そうか！……この子が良いって言うなら、良いんじゃないかな勝己くん」
「ほんとか！！」
「良かったじゃん勝己！」
パァァ！っと明るい表情になった少年。
優しいお父さまで良かったですね。
「勝己、あんたこの子の名前は決めてあるの？」
「う、まだ……」
「じゃあ、タマとかどう？」
「ンだよそれ、ダサ」
「んだとこのクソガキ！！」
「まあまあ……勝己くんが飼うんだし、ちゃんと時間を掛けて考えてあげれば良いんじゃないかな」
ね？とお父さまが仲裁に入り、親子喧嘩は未遂に終わりました。
なるほど、お父さまは2人の中和剤なんですね。
ならこの2人が喧嘩した時は、お父さまの元へ避難すれば安全ですね。
「……！決めた！！」
「お！早いね勝己くん」
「シロ！とか？」
「アハハ…」
「ちげーよ！そんなダセェの誰がつけるかよ！
お前の名前は、
A、Aだ！！」
『ニャン！』
「今日からよろしくなA！」
こんにちは、猫です。
名前はあります。大好きな彼がつけてくれた名前が！
私の名前はAです！
よろしくお願いします、勝己くん！
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しぐ - かわ (9月29日 22時) (
レス) @page39 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - めっちゃおもろい もうなんか、めっちゃ好き！ (9月4日 9時) (レス) @page39 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 猫ちゃんかわいい(*≧з≦)❤ (2023年2月24日 22時) (レス) @page39 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きですっ！！！ (2023年1月16日 18時) (レス) @page39 id: 090773d13c (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 猫大好き人間です！ほんとの猫もこんなこと思っているのかな〜と思いました！更新頑張って下さい！ (2022年9月17日 19時) (レス) @page39 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福 | 作成日時：2018年12月5日 13時
