少年の決意。 ページ5
私はそのまま再び抱きかかえられ、お母さまがいるお部屋へと連れていかれました。
「お！洗い終わったね。初めてみた時より別嬪さんになってるじゃないか！」
『ンニー…』ｺﾞﾛｺﾞﾛ
お母さまの手が伸びてきて、私を優しく撫でてくれます。
私はその手に喉を鳴らして擦り寄ります。
少年を撫でるのと同じように愛情を感じました。
「こいつの飯」
「あーはいよ、カリカリね。ちょっと待ってな」
「良かったな、くれるってよ」
『ニャー』
お母さまが奥へと消えて、少年が喉を撫でて話しかけてきます。
私は、この親子には沢山してもらってばっかりですね。
何から何まで………ありがたい限りです。
お母さまが戻ってきて、トレーを床に置いてくれました。
トレーの上には、カリカリの入ったものと、お水が入ったものと2つお椀が置かれてました。
するりと少年の腕から抜け、トレーの前に座り一言鳴いてから食べ始めます。
頂きますは礼儀ですからね、ちゃんとしないと。
「召し上がれ……ってほんとに勝己が言ってた通りね。言葉がわかってるみたい」
「水もドライヤーも嫌がんなかった。おかしな猫だ」
「でも、ご飯にがっつく所あたりは猫らしいわね」
「…………」
もぐもぐとカリカリを食べていると、少年が急に黙り込んで私をじっと見つめてきました。
どうかしたのでしょうか……。
はっ！まさか私の顔に食べかすついてます！？
え、どこ？どこですか？
「……おれ、こいつのこと飼いたい」
「……！！」
「途中で飼うのやめたりとか、捨てたりとか、ぜってーにしねぇ。大事に、ちゃんと家族として育てる」
「……」
「だから、飼いたい。お願い……します、お母さん」
……は！つい驚いてボーッとしてました。
少年、いきなり何を言いだすかと思えば……ふむ、飼いたい、ですか。
飼いたい、と言って生半可な気持ちで飼われ、結局捨てられた同士たちを何度も見てきました。
私も過去に1度だけ飼われたことがありますが、結局捨てられました。
その時、とても悲しい気持ちになりました。
家族だと思っていたのは、どうやら私だけのようで。
「勝己、生き物を飼うっていうのは難しいんだよ？」
「…知ってる」
「お金だってそれなりにかかるのよ」
「……わかってる」
「じゃあ、お父さんにもこのこと話せる？」
「！！！」
「あたしからもお願いしてあげる」
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しぐ - かわ (9月29日 22時) (
レス) @page39 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - めっちゃおもろい もうなんか、めっちゃ好き！ (9月4日 9時) (レス) @page39 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 猫ちゃんかわいい(*≧з≦)❤ (2023年2月24日 22時) (レス) @page39 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きですっ！！！ (2023年1月16日 18時) (レス) @page39 id: 090773d13c (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 猫大好き人間です！ほんとの猫もこんなこと思っているのかな〜と思いました！更新頑張って下さい！ (2022年9月17日 19時) (レス) @page39 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福 | 作成日時：2018年12月5日 13時
