来客 ページ28
ノックが聞こえた扉の方に、クラスメイト全員の視線が集まる。
あ、あれは確か！
「心操くん！」
「よぉ緑谷」
何とそこに居たのは、以前体育祭で僕と戦ったことのある心操くんだった。
体育祭前の宣戦布告以来、Ａ組に顔出すことなんて一切無かったのに、何かあったのだろうか。
「昨日の夜、お宅んとこの寮から白猫が走って出て来て、危なかったから保護したんだけど、心当たりある？」
「あ、いや……その〜」
あります、めちゃくちゃあります！
心操君の話を聞いた途端、僕の後ろから爆発音がした。
ゆっくりとそっちに目を向けると、かっちゃんが鬼の形相でこちらて向かってきていた。
「おいテメェ…………Aはどこだ……」
「Aって、あの白猫の名前？てか、アンタが飼い主？」
「…うるせぇ。Aに何かあったら、タダじゃ済まねぇぞ」
「……少なくともA？は、アンタが原因で出てきたんじゃねぇの？」
「ﾁｯ…」
バツが悪そうに舌打ちをして、斜め下を向くかっちゃん。そこに何とか場を取り持とうと切島くんが提案をした。
「ンじゃあ、今日の放課後に迎えに行こうぜ爆豪！」
「……」
かっちゃんは何も言わない代わりに、切島くんと心操くんに背を向けて自分の席へ戻って行った。
「って事で放課後行っても大丈夫か？」
「別に、構わないけど……」
「悪ぃな！！」
「じゃあ俺、先帰ってるから」
「おう！わざわざありがとな！！」
かっちゃんの代わりに迎えの約束をした切島くんは、笑顔で心操くんを見送った。
本人はと言うと、頬杖をついて窓の外を見ていた。
そんなかっちゃんに瀬呂くんが話しかける。
「見つかってよかったな爆豪」
「…まだ帰ってきてくれると決まったわけじゃねぇ」
「相当堪えてんな、こりゃ…」
瀬呂くんの方を見ずに、力のない声で返答するかっちゃん。これには流石の瀬呂くんも、同情を見せる。
ここまでかっちゃんが落ち込んでいると、僕も調子が狂う。
ここだけの話、Aちゃんを飼う事になってからかっちゃんは変わった。
まぁ僕に対しては全く変わってない、むしろ中学時代で悪化したけど……。
でも、かっちゃんに心の拠り所ができたのは確かだ。だから何としてでも、かっちゃんとAちゃんには仲直りしてもらわないと！！
ＨＲが終わると、かっちゃんは目にも止まらぬ速さで教室を出て行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2645人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぐ - かわ (9月29日 22時) (
レス) @page39 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - めっちゃおもろい もうなんか、めっちゃ好き！ (9月4日 9時) (レス) @page39 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 猫ちゃんかわいい(*≧з≦)❤ (2023年2月24日 22時) (レス) @page39 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きですっ！！！ (2023年1月16日 18時) (レス) @page39 id: 090773d13c (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 猫大好き人間です！ほんとの猫もこんなこと思っているのかな〜と思いました！更新頑張って下さい！ (2022年9月17日 19時) (レス) @page39 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：苺大福 | 作成日時：2018年12月5日 13時
