私は馬鹿らしい。 ページ15
『…ううん、大丈夫』
そう言い笑顔を取り繕う。
笑顔を取り繕うのは得意だ、笑顔だけが私の取り柄だったから。
私の笑顔を見て殆どが安堵の息を漏らしたが、範太は違う。
何せ幼馴染、何年もいた仲だ。
全てを見抜いたのだろう、呆れた顔でこっちを見ている。
あはは、そんな顔で見ないでよー…
傷つくじゃんか。
全員がソファから離れ、ご飯だとやんややんや騒ぎ出す。
それを横目に見ながら、唯一ソファから離れなかった範太と向き直った。
「…お前ってさ、馬鹿だよなぁ」
バカ、馬鹿ねぇ。
勉強とかでは私の方が範太より上(笑)だし、また違う方の馬鹿だよね、絶対に。
そうじゃなきゃ納得いかねぇ。
『…そうだね…、私も、そう思うよ』
範太の発言に肯定した。
確かに私は判断が遅い、大切な人も守れない。
馬鹿だよ、大馬鹿者。
「…馬鹿って言って肯定するA初めて見た気がするわ、お母さん。」
そう言い笑う範太の顔が何故か見れなくて、俯いた。
こういう時範太は私の背中をさするけど、今回は背中に範太の手の温もりが感じられなかった。
…え、優しくないな範太。
多分轟くんなら
「気持ち悪いなら良くなるツボが…」
って言ってツボ押してくるよ。絶対痛いところ。
.
…あれ、どっちも優しくなくね？？()
てか私さっき寝ぼけてて轟くんのこと「焦凍くん」って言ったよな！？
わあぁあぁああぁ恥ずかしいぃぃぃいぃいいい！！！
もう嫁にいけねぇええぇぇぇえええ！！！！！！！(大袈裟)
お母さぁあああああああん！！！！！！！(煩い)
内心混乱する私を見て、範太はふっと笑った。
ハァン！？
勢いよく範太の方を見て、思わずかたまった。
範太がいつもみたいに明るくじゃなく、柔らかく、優しく笑っていたから。
「そっちの方がお前らしいぞ？」
『…ん？』
「今お前轟のこと下の名前で呼び捨てにしてたこと今更思い出したろ？
それで恥ずかしくなって内心混乱中って感じ？」
全てを言い当てられ、目を見張ると範太が私の頭に手を乗っけた。
そして優しい声音でこう言うんだ。
「お前はさ、そうやって馬鹿やってればいいんだよ。」
範太の馬鹿にするような笑みを見てムカついたけど、少し、ほんの少しだけ嬉しかった。
終わり
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ゆずな - あれ？現在進行形で神だったりします？ (10月6日 21時) (
レス) @page15 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。 - あれ…？終わり…？？う、嘘だよ…ね…？？うん、そうですよね！ (2022年2月11日 23時) (レス) @page15 id: 383f321b4f (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新を楽しみに待ってます (2021年12月29日 13時) (レス) @page15 id: 490e9c4185 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - 神作品！！！めっちゃ面白いです、更新待ってます！ (2020年3月29日 17時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
きー - どしたどした-W-W (2020年3月9日 19時) (レス) id: bd690c3b0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kakuチョコ x他1人 | 作成日時：2019年9月3日 10時
