検索窓
今日:19 hit、昨日:5 hit、合計:21,320 hit

自分以外の誰か / sh ページ4

.
⚠︎学パロ
⚠︎曲パロ
⚠︎sh視点



舞台袖からヒロイン役のAの演技を見届ける。

スポットライトが彼女を照らしており、高い声がスピーカーを通って体育館中に響き渡る。

本番が始まったと実感して緊張が走り、衣装のマントをぎゅっと握る。

そして堂々と彼女の元へと歩き、決められた最低なセリフを吐く。

それを告げると来た方向に戻り、引き続き彼女を見守っていると、ヒーロー役のきんときが向こう側からステージに入り、Aを慰めていた。


「お似合いなんだよな、あの二人」


ぽつりと呟いてハッとしたが、周りには人はおらず、ただ言葉が溶けていくだけだった。

そしてAが元気を出すと、きんときはお城に戻ると言い舞台から退き、Aがさらにセリフを続けて、ステージと観客席の間にカーテンが隔てられる。

完全にカーテンが閉まると、Aはこちらの方に体を向けて小走りで向かってきた。


『シャークん緊張してるでしょ〜』

「ま、まぁ…」

『でもいつもより良かった感じする!がんばろうね!』


ペットボトルの水を飲みながら小休憩を挟んでいると、カーテンは再び開いて彼女はすぐに行ってしまった。

町民と楽しくお話している所を見て、つくづく彼女らしいなと思う。

役柄としてAにヒロイン役はぴったりだし、綺麗な顔立ちも非常に彼女のヒロインの立場を引き立たせている。




そして劇が終盤に差し掛かったところで大事で、好きだけど複雑なシーンに入る。

1人でいるAにゆっくりと近付き、悪役を演じる。


「悪かったなんて言わない。じゃあな。」

『待って!』


悪役として相応しいセリフを言って彼女に背を見せて舞台を去る。

待って、と言われても一切振り返らず、冷酷を最後まで演じる。

完全に舞台袖に入ると、きんときがAの隣にあらわれてプロポーズし、2人は無事に幸せになり、そこでゆっくりと幕が閉じる。

.→←細心の注意 / br



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:WT , 短編集 , 白尾
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- ガチでファンになりました!(初コメです)もう読む度に言葉では表現できないような感情がいっぱい生まれて読むのが至福のひとときですね。最高。時間かかっても応援してます! (2022年8月10日 0時) (レス) @page22 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:百瀬 | 作成日時:2022年7月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。