自分以外の誰か / sh ページ4
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⚠︎学パロ
⚠︎曲パロ
⚠︎sh視点
舞台袖からヒロイン役のAの演技を見届ける。
スポットライトが彼女を照らしており、高い声がスピーカーを通って体育館中に響き渡る。
本番が始まったと実感して緊張が走り、衣装のマントをぎゅっと握る。
そして堂々と彼女の元へと歩き、決められた最低なセリフを吐く。
それを告げると来た方向に戻り、引き続き彼女を見守っていると、ヒーロー役のきんときが向こう側からステージに入り、Aを慰めていた。
「お似合いなんだよな、あの二人」
ぽつりと呟いてハッとしたが、周りには人はおらず、ただ言葉が溶けていくだけだった。
そしてAが元気を出すと、きんときはお城に戻ると言い舞台から退き、Aがさらにセリフを続けて、ステージと観客席の間にカーテンが隔てられる。
完全にカーテンが閉まると、Aはこちらの方に体を向けて小走りで向かってきた。
『シャークん緊張してるでしょ〜』
「ま、まぁ…」
『でもいつもより良かった感じする!がんばろうね!』
ペットボトルの水を飲みながら小休憩を挟んでいると、カーテンは再び開いて彼女はすぐに行ってしまった。
町民と楽しくお話している所を見て、つくづく彼女らしいなと思う。
役柄としてAにヒロイン役はぴったりだし、綺麗な顔立ちも非常に彼女のヒロインの立場を引き立たせている。
そして劇が終盤に差し掛かったところで大事で、好きだけど複雑なシーンに入る。
1人でいるAにゆっくりと近付き、悪役を演じる。
「悪かったなんて言わない。じゃあな。」
『待って!』
悪役として相応しいセリフを言って彼女に背を見せて舞台を去る。
待って、と言われても一切振り返らず、冷酷を最後まで演じる。
完全に舞台袖に入ると、きんときがAの隣にあらわれてプロポーズし、2人は無事に幸せになり、そこでゆっくりと幕が閉じる。
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紫 - ガチでファンになりました!(初コメです)もう読む度に言葉では表現できないような感情がいっぱい生まれて読むのが至福のひとときですね。最高。時間かかっても応援してます! (2022年8月10日 0時) (レス) @page22 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百瀬 | 作成日時:2022年7月12日 20時