【WT】雲のように白く【短編集】

笑った顔 / sh ページ22

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⚠︎︎実らない恋
⚠︎︎sh視点



Aの笑う顔が好きだ。

名前を呼ぶと明るい声で"なあに？"って返事をしながら浮かべる笑顔も、テストの点数で競って負けた時に悔しそうに笑う顔も、全部可愛くて好きだ。

多分、出会った時に好きになったんだと思う。気が付いたら当たり前のように記憶の片隅にAがいて、夢の中に出てくるようになった。

その夢の中でAはいろんなことをしていた。ある日は翼が生えて空を飛び回っていた日もあったし、また別の日はプールで泳ぎ回っていた。

けれど毎日決まってAは笑っていて、夢の中でもどんどん俺を魅力していった。


心の中で、ほんの少しだけ。本当に少しだけ、その笑顔が俺に向けられたらいいなと思っていた。

でもAの笑った顔を何度も見ていくと、その気持ちは膨らんでいって、その笑顔が俺だけに向けられたらいいな、とも思ってた。


そんな矢先、AとAの好きな人付き合った。

最初は信じられなかった。当時はよく連絡も取っていたし、頻繁に向けられる笑顔も自分のことが好きなのかも、と少しばかり思っていた。

けれど現実は違くて、Aが好きなのは俺じゃなくてきんときだった。



「よかったな、幸せにしてもらえよ？」

『うん！』


そう言って涙を少しだけ浮かべて今まで何回も見てきた笑顔を浮かべる。

純白のドレスを身に纏う幸せそうなAを見て、考えが変わった。

その笑顔が俺に向けられなくても、Aが幸せでいられるならそれでいい。

俺が幸せにしてやれなくてもAはきんときに幸せにしてもらうんだし、結婚したとしてもその笑顔が見られなくなる訳ではないのだから、ひっそりと思ってればいい。


『シャークんも！幸せになってね！』

「言われなくてもなるよ」


お前の笑った顔が見れれば、俺はそれだけで幸せだよ


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お久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです…！！
現在8月下旬に公開予定の中編の執筆を始めまして、そちらの準備に専念したいため落ち着くまではこちらの更新はできません…；；

落ち着きましたらまたこちらも執筆していく予定ですので何卒よろしくお願いします！！

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