【WT】雲のように白く【短編集】 (ページ11)

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救いの手 / br ＆ sh ページ11

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⚠︎学パロ
⚠︎不良ネタ

いつもはしない寝坊をしてしまい非常に焦っている。

全速力で走っても早いとは言えない速さで通学路を走るが、間に合いそうにない。

ふと横を見ると、学校までに近道ができる路地裏があった。

腕時計を確認すると、このペースでは間に合いそうにない時間だった。

…しょうがない、遅刻するよりいいか。と思って路地裏を駆け抜けていると、不良に絡まれてしまった。

「あ～君かわいいね？」

『急いでるので…』

「まあまあ、人通り少ないここ通ったのが運の尽きだね？」

そう言って気持ち悪い笑みを浮かべて壁に抑えられる。

先程まで走っていたせいなのか、もしくは恐怖で呼吸が浅くなっているのか、どちらかは分からないが肩で呼吸をするくらいには苦しくなっている。

"離して"と声をあげても抑えられる力は弱まる所か強くなっていく一方で、振り払おうとしても私の力で男の人に勝るはずがなかった。

「そんなに抵抗すんなら一発殴っか？」

『や、めてください…』

誰か助けてくれ、そんな一心で救いを求めても、人通りがない路地裏ではもちろん叶うことはなく、恐怖で震えることしかできない。

相手が腕をあげ、殴られることを覚悟して目をつぶる。…が、痛みは一向に来る気配はない。

恐る恐る目を開けると、2人の同い年くらいの男の子が立っていた。

緑色の目をした背が低い男の子が不良の手首を掴んでおり、青色の目をした背の高い男の子が身動き取れないように不良を固定していた。

「複数なんて卑怯な真似やめろよ…！」

br「女の子巻き込むのもどうかと思うけどね～」

sh「そうだぞ、喧嘩なら買ってやるけど？」

そう言われると不良は舌打ちだけ残してそそくさと逃げて行った。

『助けてくれてありがとうございます…！』

sh「別に、助けたとかじゃないけど」

br「いつもこんな感じだから、ごめんね？」

『いえ、本当に助かりました！』

深くお辞儀をして頭を上げると、彼らが私と同じ柄のネクタイをしている事に気付いた。

どうやらその事に彼らも気付いたらしく、あっ！と首元を指される。

sh「てか同じ高校じゃん」

『ですね、』

br「せっかくだし一緒に行こう！」