13話 ページ14
「ん……」
目覚ましを止め、ムクリと起き上がる。
両サイドには双子。
どうやら俺もいつの間にか寝てしまったようだ。
学校では、アズールの下でラウンジを経営してるからか、大人びて見えるらしく、近寄り難いとジャミルが言っていた。
恐らくジャミルだけでなく、学園生ほぼ全員が思っていることなのだろう。
だが、どうでしょう。
この双子の寝顔はハッキリ言って国宝です。
普段からは考えられない子供相応の寝顔。
可愛い。
起こすのに躊躇うが、今日は平日なので起こさなければならない。後悔しないように双子を目に焼き付けておくことにしよう。
しっかり十分ガン見した俺は双子を起こそうと声をかけようとした……刹那。
“お前は何者だ。”
耳に響く声。その声は俺の脳内に、深海の音に混じって聞こえた。深く鋭く低い声。
その声は俺に目眩と頭痛を与えた。
お前は何者だ……。
俺はA・リーチで双子たちの兄。
オクタヴィネル寮の寮生でナイトレイブンカレッジの三年生だ。それに変わりは無い。
“本当か”
また海が割れるような声で俺の脳内に問いかける。
「嗚呼、本当だッ……。」
声の主もわからない声に俺は頭痛に耐えながら必死に叫ぶ。
誰なんだこの声は。どこかで聞いたことある懐かしい声のような気もするし、初めて会った人の声のような気もする。
“お前は偽物だ。”
その声を境に、頭痛と目眩はパッタリと無くなり、声が聞こえることもなかった。
「Aチャン、大丈夫……？」
「今日は学校休むよう伝えておきましょうか。」
俺の叫び声に起きた双子を安心させながら、
自分も落ち着かせる。
“お前は偽物だ。”
その声の意図を知ろうとすればする程、
俺の心はそれを拒む。
体がその言葉を受け入れない。
「もう大丈夫だ。心配かけてごめんな。……学校へ行こう。遅刻しちゃうぞ。」
俺は考えることを放棄し、学校へ行く支度を淡々とし始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - マカロンさん» 長い間すみません！少しあと一ヶ月経ったら更新しまくるのでよろしくお願いします！！ (2021年2月4日 7時) (
レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 久しぶりに見たら更新されてました！あ〜!!!続きが気になります！！ (2021年2月4日 0時) (レス) id: 2dc6582dc3 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - ラムさん» 長らくお待たせしてしまってすいません……！ (2020年12月2日 19時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - mioさん» 返信遅くなってすみません！コメントありがとうございます！！ (2020年11月13日 15時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らずぴす x他1人 | 作成日時：2020年9月20日 20時
