カタワレ 肆拾捌 ページ9
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「あれー、月詠ちゃん。柱殺せなかったんだあ。殺せばあの方に更に愛して貰えたのに、勿体ないねえ。」
屋敷へ戻ると、珍しく上弦の弐の童磨さんが居た。虹色の虹彩が私を捉える。
「……私って何者なのでしょうか。」
先程から、あの柱の顔が焼き付いて離れない。
一言一言が、心の奥底の何かに触っている。
気持ち悪くて仕方がなかった。
童磨さんの瞳が細められる。
興味深い、とでも言いたげな瞳だった。
「君は……鬼だよ。人を喰らって無慈悲に生きる無惨様に気に入られた美しい程残酷な鬼だ。」
童磨さんの手が私の首に伸びる。
体温のない手が私の首を優しく掴む。
「君が、人間だったら間違いなく喰っていただろうね。」
“人間”その言葉が私の中で強く響いた。
童磨さんも私も、無惨様だって……元は人間なのだ。
「童磨さんは、人間の頃の記憶、覚えてるのですか？」
「うん、あんまりいいものじゃないけどね。」
明るい弾んだ声で童磨さんは言った。
でも虹色の虹彩がこれ以上追求するな、と言っている。
「私も人間の頃の記憶思い出したいなー、なんて。」
童磨さんの腕を優しく払い、少し悪戯っぽく言ってみる。
「駄目だよ。」
すかさず冷たい声が制する。
その声は少し圧を感じた。
「なんでですかー？いいじゃないですか。」
更に聞いてみる。
思い出したくない、記憶に蓋をしていたい。
そう思ってたはずの思いは、“知りたい”と言う意思に変わっていた。
童磨さんは更に声音を下げて、扇で口元を隠して私をジトリと見つめる。
「だって、君が本当の記憶を思い出したら此処から居なくなっちゃうでしょ。」
「……何ですか、それ。」
童磨さんの瞳を見つめる。嘘はついてない。
じわりと心が蝕まれる気がした。
本当の記憶……てことは矢張り……
童磨さんが、私の心の内を見透かしたように
口を開いた。
「あの方は、君に嘘をついている。」
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らずぴす(プロフ) - 磐田さん» 返信遅くなってすいません……。受験期間が過ぎて落ち着いたらかんがえてみます！温かいお言葉ありがとうございます！ (2020年12月12日 0時) (
レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
磐田(プロフ) - 更新されるたびワクワクしながら読んでいます!現代バージョンも見てみたいです!もしよかったら書いてください!毎回楽しみにして待っています!更新頑張って下さい! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 6cff0cd4bd (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - あおい �兇気�» ありがとうございます！今日あたり更新できそうなので、楽しみにしてくださると嬉しいです！ (2020年5月19日 8時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
あおい ��(プロフ) - 更新楽しみにしてますー！ (2020年5月14日 10時) (レス) id: 119598e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます！とても嬉しいですっ…… (2020年4月25日 14時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす x他2人 | 作成日時：2020年2月27日 23時
