第43話 ページ5
「随分老けたな……夜彦。」
「ええ、もう寿命です。夜常のことを頼みました。」
夜彦は夜常と言う自分の息子を鬼舞辻に預けて死んで行った。
夜彦は最後、衰えたシワシワの手を精一杯天井に伸ばし笑顔でこう言った。
「……今度は、生まれ変わって会いに行く。無惨、向日葵を見に行こう。そして陽の下で思う存分、
遊ぼうな……。」
鬼舞辻は夜彦の態度に腹を立てなかった。
それどころか、どこか懐かしい感覚と胸を渦巻くような
感覚に飲み込まれそうになるのを耐えるのに精一杯だった。
「生まれ変わり……向日葵……。」
夜彦の言葉をただ繰り返し呟き、最後のしわくちゃな笑顔を思い出す。
その日は雨がやけに酷く、まるで鬼舞辻の感情を代わりに表してくれているようだった。
────そうやって、鬼舞辻は一人取り残されていった。
もう何代目の辻村かわからなくなった時、ある一人の赤ん坊が生まれた。
その両親は赤ん坊を産んだ瞬間病気で亡くなっていて、
一人取り残された哀れな赤ん坊だった。
そしてその赤ん坊は今までにないくらいの膨大な力と冷徹な瞳をしていた。
今までで一番強いと、鬼舞辻は直感で感じた。
彼岸花がくるい咲く夜闇の中、鬼舞辻は口角を上げた。
「お前の名は……Aだ。」
────
夜常 ヨルツネ
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みー - もう夢主が性癖にぶっ刺さってくるぅ!!不死川さーん!!!かっこいいっす!泣きました (2021年9月6日 18時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - かすみ草とハルジオンさん» とても光栄なお言葉ありがとうございます!嬉しいです!! (2020年4月9日 0時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
かすみ草とハルジオン - 夢主のキャラと言うか性格が好きすぎてヤバいです! 普通に号泣できるぐらい凄いです!((語彙力 こんな凄い作品を読ませてくれてありがとうございます! (2020年3月23日 15時) (レス) id: 36ef626f85 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - √さん» ありがとうございます!嬉しいです!!呼吸の取得おめでとうございます(笑) (2019年12月27日 12時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
√ - 尊いの呼吸・弍の型 号泣が使えるようになりましたありがとうございます (2019年12月23日 21時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2019年9月8日 18時