【鬼滅の刃】鬼が育てた子供は嘘が上手なようで。其の弐【男主】

第60話 ページ22

鬼舞辻に勝つのはほとんど不可能だ。上弦の鬼の弐までは勝てる自信がある。
だが、壱の黒死牟さんと鬼舞辻は強さの桁がかけ離れ過ぎている。



外へ逃げるタイミングは鬼舞辻が居ない時なら何時でも逃げることは出来るが、
それは外に出るというだけ。
鳴女さんに直ぐに見つけ出されて、連れ戻されるだけだ。



となると、鬼殺隊は鬼舞辻との対立を避けることは出来ない。
どうにかそうならないようにするにはどうすればいいだろうか……。



立ち上がったは良いものの、まず作戦がなければ完全に逃げられない。
どうする……。考えろ、俺。
考えてからかなりの時間がたった気がした頃、
無限城に鬼舞辻の声が響き渡った。帰ってきたのだろうか。



「ようやく太陽を克服する鬼が現れた！やっとだ……！禰豆子……すぐ見つけだしてやる。
鳴女！産屋敷邸と禰豆子の居場所を特定しろ！」



禰豆子……確か、炭治郎の妹。
そうか、太陽を克服したのか……！
それは拙い。お館様への襲撃と鬼殺隊と鬼舞辻の接触はこれでほぼ避けられなくなった。



いや、待てよ。だとしたら俺が今逃げ出したところで、きっと泳がせる。
襲撃時に俺を連れ戻そうとするに決まっている。それが合理的だ。



俺のせいで誰も死なせたくない。だったら、俺が皆を守ればいいじゃないか。
俺は俺の責務を全うする。



ずっと苦しんでいた解決策は、案外身近にあることを知った。

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